翠色の瞳の貴方へ (ページ46)

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お気に入り　#2 ページ46

「Aのカルマ私の能力と似てるね。私の許されざる者(ペインパッカー)も同じよな能力」
「そうなの？自分が受けたものを相手に返すの？」
「団員には内緒、Aだから話した」
「分かってるよ大丈夫」

フェイタンが何で私にそんな大事なことを……そう思ったけど、私には何となく分かる。きっと私達は似ているからだ。能力だけじゃなく、愛を知らず、他者を信じず、ずっと孤独だったところも。フェイタンだけじゃない、きっと他の団員も。
でも私にはシャルが居て、フェイタンには蜘蛛という存在がある。そういう存在に助けられてるところも私達は似ている。

「なんか私達似てるよね」
「馬鹿か？私Aみたいに足遅くない」
「そういう事じゃなくて」
「じゃ何か？背丈の話か？」
「そうでもないよ、何でもない。忘れて」

こうやって照れ隠しする所もきっと似ている。
フェイタンには蜘蛛が居るけど、出来れば、私にとってのシャルみたいに、唯一無二の存在が、フェイタンの前に現れたらいいのに。
自分に与えられた痛みを返す私達だから、幸せを返したいと思える人に出会えていけたら……そう願わずにいられない。

「フェイタン、ありがとう。嫌々でも残ってくれて」

そう笑いかけるとそっぽを向いて、本を読み始めた。

携帯が振動し、目を向けるとシャルから『今から帰るね』の文字が。
シャルが与えてくれる幸せを、私からシャルにも返したいと思うから。フェイタンも、いつかそんな人に出会えるように。

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