噂になりたい #2 ページ43
「A、何しようとしてるの？」
「シャル、帰ってたんだね、あはは。コルトピが子供みたいで可愛くてつい……」
そう弁明するも、シャルはじろりと私を見ながらこちらへ歩んでくる。
「あのね、A。コルトピも男だから。そういう行動は謹んでよ」
「シャル、嫉妬から来る八つ当たりはみっともないぞ」
「団長！ そういう問題じゃ……」
私とシャルはあれからとても健全な関係で、キスもしてないし手も繋いでない。というより、常に他の団員が居たり見られる可能性があるから、お互い自粛しているんだけど。
「とにかく、コルトピだからって安心せずに。他の団員と同じように節度を守った行動してね」
「ふっ、シャルがそれを言うのか？」
「なっ……」
以前のフィンクスとのキス騒動は、瞬く間に他の団員に知れ渡っていた。『シャルがAを押し倒していた』とフィンクスが余計な一言も添えたお陰で、シャルはマチとパクから相当な顰蹙を買っていた。
「だからあれは、躓いて転んだだけで……」
そう弁明するも虚しく、クロロさんは全く耳に入れず、私とコルトピの方を向いて話し出す。
「さっそくだかコルトピの念を頼む」
「分かりました」
そう言って私の能力をコルトピに説明して心臓へと念を送ってもらう。
コップへ出した血を飲むと、瞬時に跳ね上がる念の量。
「すごい、本当に念が増えてる」
「体が小さいから、あんまり飲み過ぎない方がいいと思うよ」
「ありがとう、A」
「どういたしまして」
そう伝えると同時に倦怠感や疲労感が襲ってくる。
「じゃ、私はこれでちょっと……休んでくるね」
そう伝え、その場を後にする。
巻物へ念を送った時とは違い、
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作者名：咲月 | 作成日時：2020年1月8日 0時
