*福沢諭吉*『殺気』天翔る神獣さんリク ページ4
*
「もう善いです…ッ!諭吉さんの馬鹿ッ!」
バンッ、と社長室を飛び出し探偵社をも飛び出す。
「「「…Aッ/ちゃんッ!?」」」
皆が其々に私の名前を呼んでいたが、其れを無視してきてしまった。
随分と走って来た処でちらり、と後ろを見る。
「…追って来ても呉れないんですね」
ポツリ、と呟いた。まあ、期待なんてして無かったけれど…。
「おや、Aちゃん、…如何したのだい?」
「A?」
其処に立って居たのは、エリスちゃんとポートマフィアの首領、森鴎外だった。
「鴎外、さん…ッ」
「ッと…、探偵社を辞めてポートマフィアに来る気になったのかい?」
思わず、彼に抱き付く。誰でも良い…誰でも良いから慰めて欲しかった。此の泣いている顔を何かで隠したかった。…彼は一瞬、びっくりした様な顔をしたが直ぐに微笑み、片方の手を私の腰に回し、もう片方で優しく頭を撫でる。
前々から、社員にも知らない処でポートマフィアに来ないかと誘われていた。
もう、入っても善いかな、何て馬鹿な事を考える。
ゾクリ、とする様な殺気が真後ろで放たれているのを感じた。後ろを向こうとするが、鴎外さんが更に私を抱き締める力を強くした為、其れは叶わなかった。
「此れは、此れは、福沢殿。殺気を溢れさせて如何したので…?」
森鴎外は福沢に挑発する様な笑みを見せる。
「内の大事な社員をたぶらかさないで頂きたい。今直ぐに、其の手を離して頂こう。」
「見ての通り、彼女が私に抱き付いている岳。…社員、と云う岳為らば私が貰っても構わないと云う風に受け取りますが、宜しいので?」
福沢は今にも腰の刀を抜こうとせん秤(ばかり)の表情で鴎外を見ていた。
「此処で殺り合っても良いのですが、今回はエリスちゃんが居るのでねぇ…亦、今度の機会に、彼女を頂くとする」
鴎外さんは、私を一旦引き剥がすと顔を近付け"…今回は退くとするよ…まあ、頑張り給え"と私にしか聞こえない様に云うと額に接吻をする。
「ではでは!…あ、Aちゃん。探偵社が嫌に為ったら何時でもうちへ来ても良いのだからね?」
そう云って、エリスちゃんを連れて路地の闇の中へ消えて行った。
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ann✩ - 江戸川乱歩君のドSを見てみたいです!いつでもいいです!!面白かったです! (2022年8月12日 18時) (レス) id: 6a7e843e24 (このIDを非表示/違反報告)
★ayaka★(プロフ) - おもしろかったです。続き待ってます (2020年1月15日 23時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
ウミソラ(プロフ) - 渋い素敵なおじ様!!広津さん!!のリクで、同僚で初恋の人に想いを告げる甘いお話をお願いします!!お返事はいつでも構いません!! (2018年12月2日 22時) (レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)
千尋(プロフ) - ポオVS乱歩と福沢VS乱歩の奪い愛が読みたいですw (2018年7月28日 22時) (レス) id: 2acc65c160 (このIDを非表示/違反報告)
(forget-me-not) - 芥川さんに愛されたいです (2018年7月4日 21時) (レス) id: 4896fcd358 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*初夏sora* | 作成日時:2016年12月26日 19時