＊文スト＊『彼等の甘い誘惑受けてみませんか？』

＊エドガー・アラン・ポオ＊『我輩岳の』五十嵐れを、さんリク ページ30

*







「Aー…、あーん」





…ｲﾗ





「ん、美味しいですね！これ、食べてみてください…！」





ｲﾗｲﾗ






「あー…ん、うん、美味しい！A、此れも食べてみて‼」









ｲﾗｲﾗ…ｶﾀﾝｯ






先程迄、リズム良く聞こえていた原稿を書く音がぴたり、と止む。
その事に気付かない乱歩達は、『あーん』を続けている。






Aが乱歩君に食べさせる予定だった御菓子を横から割り込み、自らが食べる。







「あー…！ちょ、何するのさ！」






「ら、乱歩君こそ、何してるのであるか…！Aは、我輩の恋人である！イチャイチャしないで欲しいのである…！」







少し、乱歩を睨み乍ら、そう云うポオ。乱歩は、ふふふ！と笑うと「A、成功したみたいだね！」と云って部屋から退出して行った。






「…成功したって、何がなのだ？」そう聞いたポオに彼女は、乱歩に最近ポオが構って呉れないと相談したら、嫉妬させようと云う事になったと説明した。






「嫉妬、してくれました…？」





Aは悪戯っぽく笑みを浮かべる。そんな彼女をポオは自分の方へ引き寄せて抱き締めた。






「あんなの誰だって嫉妬するに決まっているのである。…是唐(これから)は、沢山構うから、もうしないで欲しいのだ…。Aは我輩だけの大切な人であるから。」







ポオは、そう云うと彼女を少し、離して触れる岳の接吻をした。









end

＊アンドレ・ジイド＊『二つの影。』暁改めて影桜さんリク→←＊中原中也＊『口移し』ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝ企画　月宮真さんリク

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す