*国木田独歩*『お薬注意』 ページ26
*
「…は…あっ……」
「ちょ、国木田さん…!?顔赤いですよ…?熱があるんじゃ…っ」
息が荒く、顔が赤い、苦しそうに呼吸する国木田さんの元に近付いた。どうにも、顔色が悪い。
「いや、何でも無い。…っ…大、丈夫だ」
如何見ても尋常では無い。与謝野さんに見て貰おうにも、今探偵社には私と国木田さんしか居ない。病院に行くにも時間が時間で何処も開いていない。
「すいません、少し失礼します…」
「っ…‼」
熱を測るにも体温計が何処にあるか判らなかった。なので、国木田さんのおでこに自分のおでこを当てがう。…やはり、異常な程の高熱だ。
「くにきださ…っ!?」
…彼から離れ様とした処で、腰に手を回され接吻された。何度も繰り返し。繰り返し。触れるだけだったり、ちゅ、ちゅ、とかむ様な接吻をされる。
「…っ、済まん、止められんのだ……っん」
国木田さんは、熱っぽい少し潤んだ様な瞳で私を見つめ、そう云い、接吻を繰り返す。
.
.
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最後に、一番長くねっとりとした接吻され唇を離したと同時に国木田さんは、私の方へ倒れ込み、意識を失った。
私は、荒くなった息を整え、国木田さんを仮眠室へ何とか連れて行き、寝かせた。…先程迄は気が着かなかったけど、国木田さんからとても甘い目眩がする程の甘い匂いが放たれていた。
««後日»»
「ねぇ、皆。此処に置いといた風邪薬知らない?」
「なんだ、あれなら昨日俺が飲んだが…」
「国木田君…耳貸して」
「…?」
太宰さんが国木田さんの耳元でボソボソと何かを呟くと国木田さんが持っていた万年筆をへし折った。
「太宰っ、貴様の仕業かあっ!⁉」
「え、何かあったの?…(ニヤニヤ」
太宰さんがそう云うと国木田さんが一瞬、私を見た。
「あ、な、無い!その様な事等…っ!!」
「国木田くうん?私まだ何も云って無いよー?」
太宰さんがニヤニヤして云うと、国木田さんが太宰さんの襟元を掴み、ぶんぶんとし乍ら、「…っ、大体、貴様は社にそんな物を……っ_______」と説教が始まった。
end
*織田作之助*『態と』世界のバカっこ!さんリク→←*福沢諭吉vs森鴎外*『緊張感』天翔る神獣さんリク
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ann✩ - 江戸川乱歩君のドSを見てみたいです!いつでもいいです!!面白かったです! (2022年8月12日 18時) (レス) id: 6a7e843e24 (このIDを非表示/違反報告)
★ayaka★(プロフ) - おもしろかったです。続き待ってます (2020年1月15日 23時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
ウミソラ(プロフ) - 渋い素敵なおじ様!!広津さん!!のリクで、同僚で初恋の人に想いを告げる甘いお話をお願いします!!お返事はいつでも構いません!! (2018年12月2日 22時) (レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)
千尋(プロフ) - ポオVS乱歩と福沢VS乱歩の奪い愛が読みたいですw (2018年7月28日 22時) (レス) id: 2acc65c160 (このIDを非表示/違反報告)
(forget-me-not) - 芥川さんに愛されたいです (2018年7月4日 21時) (レス) id: 4896fcd358 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*初夏sora* | 作成日時:2016年12月26日 19時