＊文スト＊『彼等の甘い誘惑受けてみませんか？』

＊太宰治＊『そう云う処も』 ページ24

*






「Aちゃん、私と心中しないかい？」






「遠慮しておきます！」







「連れないなあ…」






「では、私は忙しいので……んっ⁉」






くるり、と向きを変えて仕事をしようとしたAをグイ、と引っ張り柔らかそうなその唇に私のそれを押し当てる。






「な、何するんですかっ！！」





「何って…接pp……んぐっ」






「ああああーーー！云わなくて良いです！もう黙ってくださいっ！」





顔を熟した林檎の様に真っ赤にして私の口を押さえて云わせまいとする。





(…ほんっとウブだねぇ。まあ、そう云う処も可愛くて好きなのだけれど。)




彼女の私の口を押さえてる手に自分の手を重ねる。そっと口から引き剥がし、手の甲に口付けた。





ぼふんっ、と蒸気が上がり口をパクパクさせる。そんな彼女にもう一度接吻すると、頭の収集がつかなくなったのかぽふ、と胸板に倒れ込んできた。





「あらら…(笑)続きはまた夜迄引き延ばし…か。今日の夜が楽しみだ(妖笑」





彼女の頭をポンポン、とし乍ら、１人呟いた。






end

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