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「…ごめん、のんちゃん先生、もっかい、」
割とシンとしてるくせに、だだっ広いから、
声があちこちに散乱してしまうこの病院のロビー。
そんな場所やから、
廉もやっぱり聞き取りづらかったようで、
眉間にしわを寄せて、俺の方に耳を傾ける。
「…今から、リハビリ？ それとも、終わった？」
車椅子の彼と同じ目線にしゃがみ、
口元ははっきりと、そして大きく動かして。
すると、ちゃんと伝わったようで、
その顔はあっという間にホッとしたように変わる。
そして、今度は嬉しそうな顔でこう言葉を続けた。
「おかんがな？ 迎えに来てくれる！
ほんで、リハビリ頑張ったから、
今度、Jリーグの試合観に行かせてもらえんねん！」
珍しく子供らしい無邪気な顔して、
俺に教えてくれた、廉。
実はそんなのとうに知っている。
だってお母さんに相談されたし、
許可出したん俺やし？笑
それにしても、おかん！、って笑顔で言う姿見ると、
やっぱりどっかで大毅を探してしまう。
そういえば、
大毅もこうやってロビーで待ってたよな、とか、
たまには俺も一緒にお迎え行ってたよな、とか。
「ほんで、どこ行くん？」
ってことより、危ない。
そのまま立ち話しそうになってた。
「思い出した、アメリカや。 行ってくるわな？
もしかしたら廉もまた、
サッカーできるようになるかもしれへんから。」
そしたら今度は、目をまん丸にして驚く。
そりゃそうやよな、
俺もたった今知って同じように驚いてんねんから。
「だから、行ってくるわ。 元気で待っててな？」
「…最後のほう、なんて？」
「元気で、待ってろよ、って。 じゃあな。」
年頃の男の子なんやろ。
病院来るだけやのに丁寧に髪の毛セットして。
俺も昔はしてたけどなぁ。
まぁ、野球部時代はそんなんしてる暇なかったから、
あれやけど。笑
だから頭を撫でてやったら、めっちゃ怒る。笑
けど、最近はそんなに言わんくなってきたかもな。
「お土産よろしくー！」
ロビーを出て、すぐさまタクシーで関空まで。
俺もアメリカに拠点を置いてた時代もあったから、
たぶんこの大ニュースに関するアポはいらん。笑
1泊2日というかなりハードなスケジュールやったけど、
なんとかいろいろと話を聞くことはできた。
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のん(プロフ) - この作品大好きです。素敵な作品をありがとうございます。表現素晴らしいです。涙が止まりません。一瞬でファンになりました。 (2020年7月25日 2時) (
レス) id: 56343318d5 (このIDを非表示/違反報告)
ごま - 声出して泣くくらい本当に号泣です。素敵な作品に出会えてよかったです!ありがとうございます。 (2020年5月10日 1時) (レス) id: d07563048d (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん(プロフ) - 初めまして！久々に小説で号泣しました。友人に勧めたくなるくらい素晴らしいお話に出逢いました。ありがとうございました。 (2020年5月6日 17時) (レス) id: a6f24fa91f (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - はじめまして、知り合いに勧められて一気に読みました。途中から涙が止まらなくて、親には心配されました笑多分何回もまた読みに来ると思います、最高の作品でした。作者さんの他の作品も読んでみますね。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年5月5日 9時) (レス) id: f84ebdac68 (このIDを非表示/違反報告)
たぁ(プロフ) - こんにちは。もう一度読みたくなってきちゃいました笑 ほんとにこの作品素晴らしいです>_< 何度涙を流したことか…最高の作品をありがとうございます。 (2020年5月4日 17時) (レス) id: 4b1a527b81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉都香 x他1人 | 作成日時：2017年1月4日 18時
