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「外出は……今の状況では、難しい、ですね、」
望の第一試合が近づいてきて、
私は、桐山先生に頼みました。
どうか外出許可をください、と。
まぁ、返ってくる答えは当然わかってましたけどね。
ダメ元でしたが、先生ならもしかしたら…
とか思っていたんですよ。
「すみません…こればかりはどうしても、」
「いえ、こちらこそすみません、
外に連れて行って急変したら私だって怖いですもの、」
仕方ありません。
初戦は、旦那と3人で、
病室のテレビ観戦をしました。
「…出えへんかったね、だいきも爆睡してるし」
「まぁ勝ったから、次の試合に期待しよか、」
テレビを消して、眠る大毅の前髪をさらりとかく。
その日の寝顔は、
いつもよりも気持ちよさそうに見えました。
望の試合は一切見てないし、
ましてや耳だけ傾けてる、わけなかったんですけど。
「ってか、目立ってたね？ のんちゃん、」
「ほんまに。笑 1人だけ坊主じゃないからな。笑」
「SNSとかで話題になったり！」
「髪の毛生えてる、ってか？笑」
「ちゃうちゃう！ イケメン高校球児って！」
「親が言うなよ、気色悪い。笑」
その次は、4日後。
4日経っても調子は変わらず、また病室観戦。
残念ながら旦那は仕事だったので、その日は2人でした。
「おー！ きた！ アウト！ あと1人！！
だいき、あと1人やで…って、」
ほぼ勝ちが見えた9回裏で、
ガンガン、テンションが上がってた私に比べ、
ベッドを見るとまた寝てる、大毅。
「もー、せっかくいいとこやのにー。
おかん、1人で見るからな！ 知らんからな！」
おぅ、1人で見とけ見とけ。笑
大毅はそうでも言って、へらりと笑ってたでしょうね。
そんな妄想をして、思わず笑みがこぼれると、
気づけば、試合は終わってました。
結果は、5対3
望の学校では、良い方の成績である、
3回戦の出場が決定していました。
「3回戦は…今度は3日後かぁ、
次はのんちゃん出てきたらいいのにね、」
病室内に元から設置してあったカレンダーに、
勝手に3回戦と記入し、ピンク色のハートで囲んで。
「また、親バカ出てるわ、」
その日付を見れば、
余命を宣告されてから、
もう、2ヶ月が経っていました。
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のん(プロフ) - この作品大好きです。素敵な作品をありがとうございます。表現素晴らしいです。涙が止まりません。一瞬でファンになりました。 (2020年7月25日 2時) (
レス) id: 56343318d5 (このIDを非表示/違反報告)
ごま - 声出して泣くくらい本当に号泣です。素敵な作品に出会えてよかったです!ありがとうございます。 (2020年5月10日 1時) (レス) id: d07563048d (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん(プロフ) - 初めまして！久々に小説で号泣しました。友人に勧めたくなるくらい素晴らしいお話に出逢いました。ありがとうございました。 (2020年5月6日 17時) (レス) id: a6f24fa91f (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - はじめまして、知り合いに勧められて一気に読みました。途中から涙が止まらなくて、親には心配されました笑多分何回もまた読みに来ると思います、最高の作品でした。作者さんの他の作品も読んでみますね。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年5月5日 9時) (レス) id: f84ebdac68 (このIDを非表示/違反報告)
たぁ(プロフ) - こんにちは。もう一度読みたくなってきちゃいました笑 ほんとにこの作品素晴らしいです>_< 何度涙を流したことか…最高の作品をありがとうございます。 (2020年5月4日 17時) (レス) id: 4b1a527b81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉都香 x他1人 | 作成日時：2017年1月4日 18時
