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軽い脳震盪。
意識がなかったのではなく、
頭を打ったせいで、気を失っているだけでした。
「…一晩は、念のため入院してください。
明日の検査次第で、すぐに退院できますから。」
そう私たちに言った、桐山先生。
口からはその言葉だけでしたが、
目からはこう言っているように見えました。
もう隠せないですよね？
私も旦那ももう限界だと思っていました。
大毅には、もう明日退院した時に。
望には、まあいつか言えばいいか、なんて考えて。
ですがそのことも、
きっと望にはお見通しだったのでしょう。
「…んで、だいきは何の病気なん。」
家に着いて、虚しく残ったケーキを前に、
彼はそう言いました。
「…えっ、病気？笑 ゆうたやん、へん…」
「偏頭痛なわけないやん。おかんのその焦りよう。」
さらに、言葉を並べます。
「おかんの焦りよう、おとんの不自然な冷静さ。
でっかい病院、脳神経外科っていういかにもな場所。」
その大きな目には、流すまいと必死に涙をこらえて。
「知ってる？ 最近のだいきの階段の降り方。
生まれた時から、あんなに使い慣れた階段やのに、
壁に手ぇついて、ゆっくりゆっくり。
じじいみたいな降り方してんねんで？」
それでも病気じゃないっていう？
俺はともかく、だいきに隠す？
そう言うと、ついに、涙がこぼれました。
私の目からも。
望は、そんなにもみんなのこと見てたんやね。
「…ごめんっ、ごめん、のんちゃん。」
高いところにある頭を、無理やり私の肩へ。
「…今日っ、おれっ、誕生日っ、」
「…んっ、そうやねっ？ ごめんねっ、？」
「でもっ、今日は、ごめんね、いらんっ、」
「…んっ、？」
「にいちゃんっ、にいちゃんに、ごめんね言うたげて？」
きっと苦しかったと思うから、
いろんなことと1人で闘ってたと思うから。
その言葉には、さらに親失格だなと思わされました。
大毅のこと見てるようで、全然見てない。
むしろ、病気のことばっかり考えて。
大毅の病気を見るんじゃなくて、
病気と闘う大毅を見ないとなって思いました。
「明日、もう一回お祝いしようねっ？」
小さくではありますが、
一歩踏み出せたような気がしたのを、
私は、よく覚えています。
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な - 昔から大好きなお話なので、もしよろしければ Wordに内容を書き出させて頂いても宜しいですか？ どこかに投稿やアップなどは一切致しません。 (2023年4月12日 23時) (
レス) id: 144323ef08 (このIDを非表示/違反報告)
mothernature110(プロフ) - 24時間テレビ出てほしいですよね (2017年4月2日 19時) (レス) id: 167eecf0f9 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - すごく感動しました。更新大変だと思いますが、これからもお願いします! (2017年1月4日 17時) (レス) id: 129d5a1fa9 (このIDを非表示/違反報告)
こためるこ(プロフ) - ほんとに号泣です ；＿； もう涙止まりません！ 更新頑張ってください！ (2017年1月3日 2時) (レス) id: faa6f22767 (このIDを非表示/違反報告)
smile06302050(プロフ) - はじめまして！Twitter絡ませていただきます！ (2017年1月2日 23時) (レス) id: a1e554584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉都香 x他1人 | 作成日時：2016年12月27日 20時
