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「はっぴばーすでーとぅーみー!
はっぴばーすでーとぅーみー!
はっぴばーすでーでぃあ…のんちゃーん!!」
毎年、自分の誕生日という日を、
何よりも楽しみにしている、望。
「今年もきたよ、あのでっかいの。笑」
「ほんま、こんな時だけ早起きしてくるしなぁ?笑」
もちろんこの時の14歳の誕生日もそう。
なのに、
あんなことになるなんて、誰も想像がつきませんでした。
ごめんね、望。
当時のことは、謝っても謝りきれません。
「はいっ、せーのっ!」
「「はっぴばーすでーとぅーゆー!」」
朝っぱらから誕生日の歌を大毅と共に熱唱させられ、
「いってらっしゃい! 気をつけてね!」
世間は夏休みと言えども仕事のある旦那、
部活漬けの息子たちを順番に見送って。
そして、夕方から夜にかけて順番に帰ってきて、
さあ、今からはパーティーを始めよう!
そう思っていた時、でした。
…ドンッ!!
まるで、何か重いものを地面に置いたよう。
そんな鈍い音が、
我が家の2階へ繋がる階段のほうから聞こえてきました。
またどっちかが、無駄にせわしなく階段を使ってるわ。
音が聞こえて以来何事もなかったので、
そんなことを思いながら、
私は全く気にしていなかったのですが、
「……にいちゃんっ! にいちゃんっ!!」
そう叫ぶ望の声を聞いて、
…背筋が凍りました。
「…だいきっ!!」
そこには、
階段の下でぐったりと倒れている、大毅。
意識がありませんでした。
「…だいきっ、だいきっ、
じゅんたくんっ、どうしよっ、」
「…とりあえず、救急車呼んでくる。
望、お母さんと大毅、頼むわな。」
この時はまだ、1つ1つの大毅の異変に、
毎回パニックになっていました。
だって、
あんなに複雑な病名に症状を言われたんですから。
無駄に過保護にもなっていたとも思います。
「…だいきっ、だいきっ、」
だから、
無意識に望を傷つけてしまっていたんです。
もう、大毅のことばっかりで。
初めの方は突然のことに一緒になって焦ってた望も、
この時にはすでに冷静でした。
彼は本当に人の心に敏感な子なんです。
私の焦りなんて、
当然、筒抜けでした。
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な - 昔から大好きなお話なので、もしよろしければ Wordに内容を書き出させて頂いても宜しいですか? どこかに投稿やアップなどは一切致しません。 (2023年4月12日 23時) (レス) id: 144323ef08 (このIDを非表示/違反報告)
mothernature110(プロフ) - 24時間テレビ出てほしいですよね (2017年4月2日 19時) (レス) id: 167eecf0f9 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - すごく感動しました。更新大変だと思いますが、これからもお願いします! (2017年1月4日 17時) (レス) id: 129d5a1fa9 (このIDを非表示/違反報告)
こためるこ(プロフ) - ほんとに号泣です ;_; もう涙止まりません! 更新頑張ってください! (2017年1月3日 2時) (レス) id: faa6f22767 (このIDを非表示/違反報告)
smile06302050(プロフ) - はじめまして!Twitter絡ませていただきます! (2017年1月2日 23時) (レス) id: a1e554584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉都香 x他1人 | 作成日時:2016年12月27日 20時