43. ページ43
.
少しずつ、
さらに自由の効かなくなってきた大毅でしたが、
根はあのまま、変わらないから、
「…えっ、行くの！？」
その年の秋には、
望の試合にも行きました。笑
「…俺、ベンチやねんけど、よかったら来て？笑」
各校の1年生だけで戦うため、
もしかしたら望にとってデビュー戦、
に、なるかもしれない試合。笑
まぁ、仕方なかったですよね。
少年野球から習っていたような子の中で、
野球を初めて1年目の元サッカー少年が、
混じってたんですから。
「いや、行くよ！
ベンチに座ってるのんちゃんでも観に行くよ！
なぁ！ 淳太くん！？」
「……その日、寒い？」
「寒くない寒くない！ 気持ちの問題や！笑」
それでも家族みんなで応援に行こうね？
って張り切って。
数日前から、お弁当には何を入れて行こうかな、
なんて、いろいろ考えるぐらい、
私も楽しみにしていたのですが、
「…だいき？ ほんまに行くの？
頭痛くない？ 目眩でぐるぐるするとかない？」
急激に寒くなってきたせいで、
試合の数日前から、
大毅の頭痛がひどくなってしまっていました。
「…だいき、俺、今回は出れるかわからんから、
今度来てもらってもええねんで？」
望も心配してくれて、私と一緒に大毅を大説得。
ですが、それでも聞いてくれませんでした。
だってデビュー戦は1回しかないやん、
しかも100%出ないって決まったわけじゃないし、って。
「じゃあ、当日までに頭痛治ったらね？
そのために、今日と明日、点滴がんばれる？」
そうと決まったら絶対曲げない。
そんなたまに出てくる頑固な大毅くんとは、
結果、その約束で合意。
そして、2日間点滴に耐えてもらった、
のですが、
「…顔色悪いね、頭痛いでしょ、？」
悔しいことに、
頭痛は当日になっても治っていませんでした。
「…どうする？」
「大毅か？」
「うん、免疫落ちてるって言われて、
ほんまに行って欲しくないんやけど…」
とりあえず、望を送り出して、
旦那と緊急会議。
「でも、淳太くん。 私、行かせてあげたい…」
「…うん、せやけどなぁ。」
めっちゃ、悩みました。
みんなで行こう！っていう答えはあったのに、
なかなかそれを言い出すのが怖くて。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2042人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
な - 昔から大好きなお話なので、もしよろしければ Wordに内容を書き出させて頂いても宜しいですか？ どこかに投稿やアップなどは一切致しません。 (2023年4月12日 23時) (
レス) id: 144323ef08 (このIDを非表示/違反報告)
mothernature110(プロフ) - 24時間テレビ出てほしいですよね (2017年4月2日 19時) (レス) id: 167eecf0f9 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - すごく感動しました。更新大変だと思いますが、これからもお願いします! (2017年1月4日 17時) (レス) id: 129d5a1fa9 (このIDを非表示/違反報告)
こためるこ(プロフ) - ほんとに号泣です ；＿； もう涙止まりません！ 更新頑張ってください！ (2017年1月3日 2時) (レス) id: faa6f22767 (このIDを非表示/違反報告)
smile06302050(プロフ) - はじめまして！Twitter絡ませていただきます！ (2017年1月2日 23時) (レス) id: a1e554584d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茉都香 x他1人 | 作成日時：2016年12月27日 20時
