おかん、あんな？

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「今日は2つ。 淳太くんにお話があります。」









大毅の病気がわかった時以来、

定期的に行われていた夫婦会議。





そこで私は、兼ねてから考えていたことを、

初めて旦那に提案してみました。









「2つ？ はい、どーぞ？」




「ありがとうございます。 ではさっそく、1つ目！
私、かいごしょくいんしょにんしゃけんしゅう、の、
免許を取ります！」









介護職員初任者研修





私の口から、そんな難しい言葉が、

出てくると思ってなかったらしい旦那は、

思わず、何それ、と尋ねてきました。









「そういうと思って、ジャン！、こちら資料です。」









介護職員初任者研修とは、

つまり俗にいう、ホームヘルパー2級のこと。





無能な私だから母に相談して、

そういうのがあるんよ、って教えてもらった瞬間に、

欲しい！ってなって。





きっかけは、そんな子供じみたことです。









「で、これを取って、ちゃんとした知識で、
だいきと接したいの。」









この先、障がい者という認定も級がどんどん上がり、

社会からそういう扱いをされることになる、

ちょうどこの頃、病院で桐山先生にそう言われました。





運動障害が著しくなって、

動けなくなって、話せなくなって。





そんな時に、ちゃんとした知識があるのとないのとでは、

私の心構えも違うのではないかと思ったんです。





それで考えた結果が、資格を取ること。





私の中では、最大に考えた方でした。









「ふーん、ええやん。」

「…うそっ、まじで！？」

「うん、で2つ目は？」

「もー、ほんまありがとう！ さすが淳太くん！」

「はいはい、ええから。 次。」









2つ目は、私の誕生日プレゼントに関すること。









「私の誕生日プレゼントに、
この家を改造していただきたいですっ！」









それには、さすがに、はぁ？、と言われました。









「そもそも改造って？ 何すんの。」





「えっと、手すりとか、あと結構うち段差多いやん？
だからそれを全部ぬぺーっとしてほしい！」









そう言った途端、グッとしわがよる旦那の眉間。





そして、こう言われました。









「それちゃんと、Aが欲しいもの？」









Aが欲しいものじゃないと、俺あげへんよ？って。





それにはちょっとだけ迷いました。





私が本当に欲しいものってなんだろう、と。





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