言えなかった気持ち(黒)5 (ページ38)

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それから、医務室に着くと、
先生にしきりにめぐが
傷とか深くないですかね？
跡とかって残ったりとか、と
聞くので先生が微笑みながら
うん！大丈夫大丈夫！
血の量の割に傷そんな深くないし、
跡も残らないわよ！
まぁ、消毒して、ガーゼ貼っとくね！と
言ってまぁ、左手は数日は
あんまり使わないようにね！と
付け加えて言って医務室を出て行った。

………あ、チョコ作りどうしようかな。

まぁ、でも、出来るか！
利き手じゃないし！！

そう、ポジティブに考えていると、

目｢……ほんとごめん。｣

｢え、何が？｣

めぐがいきなり申し訳なさそうにしながら
そう言った。

目｢…いや、俺がさ、早く気づかなかったから
Aに怪我させちゃって、｣

｢ち、違う違う！
私が勝手に出て行っちゃったし！！｣

目｢それこそ違うだろ。
俺のせいで、｣

｢だから違うって！
私こそごめんね！
咄嗟に押しのけちゃって！
…というか、なんかめぐ様子
おかしい気がしたんだけど、どうかした？｣

そうそう！

だから、上の照明が落ちてきそうな
ことにも気がつかなかったのかと。

私が首を傾げてそう聞くと、

目｢…だから、俺のせいだって。
…いや、まぁ考え事してて。｣

めぐが下を向きながらそう言った。

考え事？

なんだろう？でも、

｢いや、ほんとに気にしなくていいから！
…そっか。
それで、…ありがと。
その、うん。急いでここまで
連れて来てくれて！｣

目｢…気にするから。
それで、別にお礼言われることじゃないし。｣

｢もう、いいんだって！
で、お礼言うところだよ、絶対に！｣

…うん、嬉しかったしな。

それで、

｢…めぐがさ、無事で良かった。ほんとに。｣

私は下を向きながらも
笑ってめぐにそう言った。