言えなかった気持ち(黒)2 (ページ28)

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｢…え？私が新しく立ち上げる
ファッション誌にですか！？｣

日｢そう！Aちゃん、どうかなって！｣

突然、そんなことを言ってきたのは
新人時代にお世話になった
日高さんというバリバリのキャリアウーマンの
先輩で私が今居る旅雑誌から
ファッション誌に移動になり、
活躍してらっしゃると思ったら
なんと日高さんが編集長となり、
新しくファッション誌を立ち上げるらしい。

…な、なぜ私が！？

日｢ぜひ、Aちゃんには
メンバーに入って欲しくってさ！｣

｢…私、ファッションのことについて
詳しくないのになぜ？｣

…そうそう。

日｢そんなの全然大丈夫だって！
ほら、実際、旅のことも全然詳しく無かったけど
もう勉強して今、Aちゃんの
記事評判良いらしいじゃん！｣

｢…いや、それは皆が優しいから
そう言ってくれてるだけで！｣

私は必死に手を振ってそう言う。

ほんと、皆優しいんだよな。

日｢そんな謙遜しなくていいって！
で、もうさ、Aちゃんの異動の許可は
渋々、そっちの編集長が出してくれたから
これは決定事項ね！｣

｢え！？そうなんですか！？｣

日｢そうそう！｣

…いや、いつの間に！？

日高さん相変わらず仕事が早いというか…

私がそう唖然としていると、

日｢ま、そういうことだから宜しくねー！
来月、年明けてから異動する準備しといてねん♪｣

｢え、あ、ちょ、ちょっと！日高さん！？｣

あー楽しみ♪とか言いながら
忙しそうに去っていった日高さん。

…いや、有無を言わさずだったな。

私がファッション誌って……。

上手くやれるだろうか。

あ、愛未に今度会うし、
相談しよう。ファッションのこと
詳しいだろうし。

私は突然のことに驚きながらも
そう心に決めて仕事に戻った。