ドリームアゲイン(黒)番外編 (ページ8)

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向｢ご、ごめんな！A！
嫌やったよな、｣

｢…嫌じゃないよ。｣

向｢え？｣

｢…私こそごめんなさい。
あの時も…あの手を繋ごうと
してくれた時も本当は嫌じゃなかったん
だけど、そ、その恥ずかしくて、
だから嫌じゃないよ。｣

Aが一生懸命、顔を赤くさせながら
俺にそう言った。

…そうやったんや。

向｢…そっか。
で、こちらこそありがとな！
俺のこと庇ってくれて、
お兄ちゃんっても呼んでくれて！｣

｢…あ、ううん。
本当のことだし。
お兄ちゃんってもずっと
呼びたかったんだけど
やっぱり恥ずかしくて…｣

向｢…はははっ！！
そうか、そうか！｣

｢あ、や、やめて！！
よしよしするの！｣

俺はAが何か俺に言う度に
顔を赤くするのが可愛くて
頭をよしよしした。

…おかんが言った通り、
俺のこと信用していいか迷ってて
恥ずかしかっただけなんやろな。

向｢…ははっ！ごめん、ごめん！！
それでな！改めてさ、俺と握手して
くれるか？A。｣

俺はそう言って
Aにあの時のように
手を差し伸べた。

｢…うん。ありがとう、お兄ちゃん。｣

Aはそう言って笑って俺と
握手をしてくれた。

…あ、俺の前で初めて
笑ってくれたかも！

俺はなんやすごい嬉しくなった。

でも、その勢いで手繋いで帰ろうや！
と言うと、…いや、それは大丈夫。と
またスタスタと歩いて1人で
行ってしまった。

…あ、またしまった。そう思ったけど、
後ろから見たらAの耳がほんのりと
赤くなっていて、
恥ずかしいだけなんやろうな。
そう思った俺はまたAのことが
可愛くて仕方なかった。

それで、仕事から帰って来た
おかんとおとんが
俺らが仲良さそうにしてる様子を見て
良かった！良かった！と
喜んでいて、
康二！Aのこと改めて
よろしく頼むわね！と
また肩をポンと叩かれた。

…おん、そうやな。

おかん達は仕事忙しいし、
Aのことは俺がしっかりと
守っていかな！
俺はその時力強くそう思った。