ドリームアゲイン(黒)番外編 (ページ7)

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ﾊﾟｼｯ

｢……え、あ！｣

男｢…あ！！｣

向｢あかんで、どんな理由があっても
男が女の子に手あげるなんてな。｣

男｢…は、離せよ！｣

向｢…ま、Aが可愛くて好きやからって
俺にヤキモチ焼く気持ちも
分からへんでもないけどなー♪｣

｢…へ？｣

男｢…は、はぁ！？
お、おい、もう行こうぜ！｣

男｢あ、あぁ！｣

そう言って男の子達はその場を
去っていった。

…多分、そうよな。

あの子達、Aのこと好きなんやろうな。

小学生男子あるあるよな。

俺がちょっとあの子達のこと
可愛く思えていると、

｢……あ、ありがとう。｣

Aが下を向いて
そう小さく俺に言った。

あ、せやった！！

向｢全然やで！
大丈夫か！？なんか怪我とかしてないか？｣

｢…うん、別に。｣

向｢そうか！なら良かった！｣

｢……なんで、助けてくれたの？｣

向｢え？｣

｢……私、すごく嫌な態度とってるのに。｣

そう言ったAは
また下を向いて悲しそうな顔をしていた。

…あ、あの時と同じ顔してる。

俺はAと初めて
会った時のことを思い出していた。

向｢…そんなの当たり前やんか。
俺はAのお兄ちゃんなんやから。｣

俺はAに安心してもらおうと
そう言って頭の上にポンと手を乗せた。

……あ、しまった！！

あの時、手を繋ごうとして
嫌がられたのに！

俺は慌ててAの頭の上から
手を離した。