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あれから、一緒に祥子さん達と
一緒に住み始めたんやけど、
…Aちゃんは相変わらずで
挨拶はしてくれるけど、
なんか壁があるっていうか、
なんというか……
1度もお兄ちゃんって
呼んでもらってへんし、
なんなら名前も呼んでくれへんし。
おとんとは楽しそうに
お父さんって言って
笑顔で話しとるやけどなぁ……
向｢…はぁー。｣
俺はそう思いながら、
リビングのテーブルに座って
ため息をついていた。
父｢ん？なんや、康二、
ため息なんかついて辛気臭いなぁー。｣
向｢…いや、別に。｣
祥｢……あー、ごめんね、康二。
Aのことでしょ？｣
向｢あ、おかん。｣
俺がおとんと話していると
キッチンから顔を出して
そう言ってきた祥子さん改め、
おかん。
一緒に住み始める時に
私はもう遠慮しないって言ったし、
康二って呼び捨てにするね！
って言ってくれたんよな。
で、俺もおかんって呼んで…
父｢あ、なるほどな！
まぁ、Aももう少ししたら
お前に懐いてくれるさ！はははっ！｣
…おとんももうAちゃんのこと
Aって呼んどるな。
向｢…そやろか。
てか、おとんはどうやって
Aちゃんと仲良くなったん？｣
父｢…まぁ、それは企業秘密ってやつで、｣
祥｢物よ物！Aが好きな
リカちゃん人形わざわざ私に
リサーチして買ってきたのよ、この人！｣
父｢あ、母さん！それは康二には
内緒にしとく約束やったやん！｣
向｢…物で釣ったんかい。｣
おかんに暴露されて
おとんが焦っている。
うーん、物か。
でも、子供の俺はこづかいとか
そんなないからお金ないしな。
そう俺がまた悩んでいると、
祥｢大丈夫！
康二はそんなことしなくてもいいからね。｣
向｢…あ、おん。
でも、どないしたら
Aちゃんと仲良くなれるんやろか？｣
祥｢…あの子もさ、康二のこと
本当に信用していいか
迷ってて恥ずかしいだけだと思うからさ、
私みたいに遠慮せず、Aのこと
呼び捨てにしていいから！ね！｣
向｢え、でも…｣
父｢…そやな！
それが1番の近道かもな！ははっ！｣
祥｢いや、あなたは黙ってて。｣
父｢…あ、はい。｣
祥｢とにかく、そんな悩まなくていいからね！
さ、2人とももう寝た寝た！
Aももう寝ただろうしね！｣
父｢おん、おやすみ〜｣
向｢…おやすみなさい。｣
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作者名：さつき
| 作成日時：2021年7月24日 11時
