ドリームアゲイン(黒)2 (ページ9)

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向｢A、そんな引っ張ったら
痛いって！｣

｢…あ、ご、ごめん。お兄ちゃん。
で、でもね、なんでお兄ちゃん、
あんなこと、めめにさ、｣

…そうだよ。
そんなの分かりきってるじゃん。

めめは絶対に私のこと、

向｢…こないだ、ふっかさんにも
言われたちゃうんか？
ちゃんとめめと向き合えって。｣

ｷﾞｸｯ

…そうだった。
こないだ、お兄ちゃんのところに
夕飯食べに行った時に
お酒飲んでちょっと酔っ払って
言ってしまったんだ。

で、そんなんだったから、
そのまま寝てしまって
お兄ちゃん家に泊まって
充電器を忘れてしまったという……

と、私がこないだのことを
思い出していると、

向｢…あんだけ、めめと
一緒に働きたい言うてたやんか。｣

｢…そ、そうなんだけどさ、｣

…あの頃はまだ、
めめと普通に話せてたしな。

めめも嬉しかったって
言ってくれて……

向｢…その気持ちはAの中では
変わってんのちゃう？
な？だから、とりあえず、
今日は食事会来ぃや。
ずっと、Aもめめと
このまんまなんて嫌やろ？｣

｢…うん。｣

…確かにそれは変わってない。

看護師になるのも夢だったけど
めめと働くのも私にとっての
夢で、

向｢…よしよし。
素直やんか！
その調子でめめとも
頑張りぃや！｣

｢…こ、子供扱いはやめて、お兄ちゃん！
でもね、それとこれとは
別というか、｣

お兄ちゃんは昔からのクセが
抜けてなく、私の頭を
ヨシヨシとしてきた。

は、恥ずかしいし！
いい大人なのに、私！！

向｢まぁまぁ！
とりあえず、また後からな！
じゃあ、お疲れさん！
仕事頑張ってな！｣

｢あ！お兄ちゃん！
…行っちゃった。｣

お兄ちゃんはふっかさんみたいに
風のようにその場を立ち去っていった。

……今日の夜が憂鬱になってきた。

まぁ、せめてめめと席
離してもらえればいいか。

10人以上いるわけだしね。

そう思って私は、
またトボトボと歩いて小児科まで
戻って行った。

目｢………｣