ドリームアゲイン(黒)2 (ページ28)

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目｢…Aさ、よく、
紗希ちゃんの病室行ってんの？｣

｢…え、いや、よくじゃないと
思うけど。｣

めめが早歩きしてた
足を止めて急にこっちを振り返って
そう言った。

目｢…ほんとに？｣

｢…う、うん。
でも、なんか昔の自分と
ちょっと重なる部分があって
親近感は湧いてるかも。
親御さんあんまりお見舞いに来れなくて
寂しいのかなって。｣

…そうそう。

あ、でも、

｢まぁ、その分、米田くんが来てくれて、｣

うん。
私がめめやお兄ちゃんが
お見舞いに来てくれてたように
紗希ちゃんも米田くん来てくれるから
寂しくないよな。
そう思って、めめにそれを伝えようとしたら、

目｢米田さんと
話したいから病室によく行ってるとか？｣

｢…え？いや、違う、｣

目｢公私混同したらダメだろ。
てか、1人の患者さんに片寄せしすぎ
なんじゃない？｣

めめがちょっと怒って
そんなことを言ってきた。

…何それ。

た、確かに親近感が紗希ちゃんに対して
湧いてたのは事実だけど、
だからって、病室にも
よく行ってたわけでもないし、
私は皆と一緒で平等にしてるつもりで…。

しかも、米田くんと
話したいからとか、
そんなの違うのに。

そんなことを考えながら
下を向いて、私が黙っていると、

目｢…図星なんじゃないの？
ほんと、子供っていうか、｣

ﾑｶｯ

また、私のこと子供扱いしてるし。

大体、なんでそんなこと
めめに言われなくちゃいけないの。

そう思って、私は、

｢…ほっといて。
別にめめに関係ないから。｣

目｢…は？｣

｢…関係ないじゃん、めめには。
私は、ちゃんと平等に皆を見てるから。｣

目｢…そうじゃないと思ったから、
俺は言ってんだろ。
で、関係ないって、｣

｢だから、ほっといてって！
ただの幼なじみのめめに
そこまで言われる筋合いないから！
…めめなんて大っ嫌い！｣

目｢あ、おいっ！A！｣

私はそう言って、
一目散にその場を去った。

…なんなの？

そうだよ。
別に関係ない、めめには。

仕事でも上司じゃないんだし、

…プライベートでも
そう。…ただの幼なじみなんだし。

……でも、大っ嫌いって
言った時、めめ悲しそうな顔してた気がする。

……最悪かも。私。

子供扱いされたのが嫌で
ほんとは…大嫌いなんて
思ってないのに。

ナースステーションに戻ってから
私はそんなことばかり考えていた。