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目｢…Aっ！｣
……え？うそ。
なんか、後ろからめめの声がするような…
い、いや私がめめのことばかり
考えてたから空耳かも。うんうん。
目｢おいっ！Aって！｣
や、やっぱりめめの声だ！！！
ど、どうしよう。
泣いてる姿なんか見られたくないのに。
こ、ここは走るしかない。
私は一目散に走り出した。
目｢待てっ！！｣
｢………｣
目｢…おい、待てって言ってんだろ！｣
｢………｣
ｸﾞｲｯ
目｢いい加減止まれって！
時間になってもA待ち合わせ場所に
来ないからずっと探してて、
で、お前、あんまり走ると……
え、なんで泣いてんの？｣
一生懸命走ったけど
めめに追いつかれて泣いてるのを
見られてしまった。
…ほ、ほんとどうしよう。
なんて言えば、
というか、運動、普段しないからか
なんかゼーハーしてキツいし。
｢…な、なんでもないよ。｣
目｢…なんでもないなら
泣かないだろ。
てか、お前走ると
身体あんまり強くないんだし、
ダメだって。｣
｢…大丈夫。これはただの
運動不足で、｣
目｢…大丈夫じゃないだろ。
そんな、息乱してさ。
で、なんで泣いて、｣
…もう、ほっといてほしい。
体弱かったのなんて小学生の時の話で。
中学生からは皆と同じように
運動も大体出来てたし。
……私のこと子供って妹みたいってしか
思ってないんだ、めめは。
私はそう思って、
｢大丈夫だって！！｣
目｢……え？｣
私は思いっきりめめが掴んでた
私の手を振り切ってそう言った。
自分でも驚くくらいの大声で。
｢…ごめん。でもほんと大丈夫だから。
体ももう大丈夫だしさ。
で、…イルミネーションはめめと
もう観なくていいから私、帰るね。｣
目｢………は？
A、一昨日あんだけ
俺と観たいって、｣
…めめこそ、彼女さんと
観ればいいじゃん。
｢…とにかくそういうことだから。
だから、私、帰る、｣
ﾊﾟｼｯ
目｢待てって！
何かあったんじゃないの？
…な？だからさ、｣
めめが心配そうな顔して
私の方を見てそう言った。
…もうやめてよ。
彼女さんいるくせに。
……私のことはただの幼なじみにしか
思ってないくせに。
そう思ってまた私は、
｢…か、彼氏が出来たの！｣
目｢…え？｣
｢……だから、明日、その彼氏と
観に行くから大丈夫。
私のことはもうほっといて。
…じゃあね、めめ。｣
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作者名：さつき
| 作成日時：2021年7月3日 20時
