ドリームアゲイン(黒) (ページ19)

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あれから、
屋上のベンチに座って
イルミネーションを見ていた私達。

目｢…あ、そういや、康二にも
一応言って自分も手伝うって
言ってくれたんだけど、
受験勉強ヤバそうだったから、
とめといた。
で、Aに代わりに
今度クリスマスプレゼント
買うから何か考えときやだって。｣

｢…あ、お兄ちゃんが？｣

目｢…うん。｣

…そうなんだ。
お兄ちゃんもしてくれようと
したなんてありがたいな。
でも、めめがとめといてくれて
良かった。
私もお兄ちゃんの受験心配だし。

で、プレゼントかー……
特に今、欲しいものはなー。

そう私が思っていると、

目｢……ごめん。
俺、これに集中してたからさ、
クリスマスプレゼントとか
何も考えてなくてさ。｣

｢……え？いやいやいや！！
いらないよ、そんなの！｣

そんな滅相もないし！！
というか、お兄ちゃんは家族だけど。
言ったらめめはほんとここ数ヶ月で
知り合った友達というか
隣の家のお兄ちゃんであって……

ん？なんか、めめのことお兄ちゃんって
考えると嫌な気持ちするかも。

私がまた考えていると、

目｢…ん？どうした？
また考え事？｣

｢…あ、い、いやなんでもない。
というかね、｣

目｢うん？｣

めめまた私が考え事してるって
分かったんだな…

…そう、それでプレゼントは、

｢……このイルミネーションが
私にとってのプレゼント
だからさ、だからほんと
いらないというかさ、｣

言いながらも恥ずかしくなってきて
下を向いてめめにそう言った。

目｢……こんなんでいいわけ？｣

｢こんなんって！
ほんと嬉しかったよ、私は！｣

そうだよ、私はほんと嬉しかった。

目｢……ラウが見てるのは
もっと綺麗だと思うぞ。｣

｢…そ、それは見たことないから
分かんないけどさ。｣

…どういうのかは
ほんと見てみたいけどなー。
でも何年かに1度しかないって
京子さん言ってたしなー。

目｢……じゃあさ、Aが体良くなって
またそのイルミネーションが
あるって時は俺と一緒に観に行く？｣

｢…え？めめと？｣

目｢…うん。｣

……でも、いつになるか
分からないし。
というか、めめってモテるだろうし。
その時こそ彼女さんいるんじゃ？

私が下を向いて
黙っていると、

目｢…嫌？俺と一緒に行くの。｣

｢違うよ！わ、私も一緒に行きたい！
……あ、ご、ごめん。｣