ドリームアゲイン(黒) (ページ13)

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向｢そうですかねー！？｣

京｢うん。うちの子に
言って聞かせたいわよ。｣

ｶﾞﾗｯ

そんなことを2人は言いながら
病室を出て行った。

…お兄ちゃん、私を少しでも
元気づけようとして
ジュース買ってくるって
言ったんだろうな。

ほんと、申し訳ない。
京子さんにも。お兄ちゃんにも。

私がそう思って俯いていると、

目｢…A、もしかして
イルミネーション観たことないの？｣

｢…え？あ、うん。
外に飾ってるやつはみたことないかも。｣

目｢…そっか。｣

…そうそう。
お母さんが再婚する前も
仕事で忙しそうだったし、
再婚してからもお父さんも
仕事忙しそうだったからな。
外に飾ってるやつって
みたことなかったもんな。

｢…うん。
で、京子さんからすごく綺麗で
何年かに1度しかないって
聞いたから、ちょっと
行きたそうな顔してたみたいで、
それで、先生に
急いで外出許可出るか聞きに言って
くれたんだよね。｣

目｢…そう。｣

｢…うん。｣

……はっ！

今度はめめを申し訳なさそうな顔に
させてしまってる気がする。

も、申し訳なさすぎる、ほんとに。

｢…ご、ごめんね。めめ。
その別に、イルミネーション
見たかったのはほんとだけど
ラウが羨ましかっただけというか、
とにかく、その、｣

テンパりまくって、私が
一気に話すと、

ﾎﾟﾝ

｢…あ、え？｣

めめが私の頭の上に
ポンと頭を乗せた。

目｢…俺が申し訳なさそうに
してるとか思ってんだろ。｣

｢…う、うん。｣

目｢…歳下のくせに
気遣わないでいいから、俺に。｣

｢…あ、でも、｣

目｢もっと、わがまま言っていいからさ。
で、康二も言ってたけど
退院したらAの好きなとこ
連れて行くから。だから
元気出せ。な。｣

と、笑って私に言ってくるめめ。

…気も遣ってないし、
わがままって。

というか、なんで
私がめめが申し訳なそうに
してるって思ってるって
分かったんだろう。

…やっぱり、めめに頭乗せられると
嬉しいし。

｢…ありがとう。めめ。｣

私は泣きたくなるくらい
嬉しかったのを我慢して
笑ってめめにお礼を言った。

目｢……うん。｣