2度の運命(黒)2 (ページ27)

今日:1 hit、昨日:13 hit、合計:118,209 hit

75 ページ27

目｢…やっぱ俺の勘違いだったかなって。
…そしたらその子と入社式は
隣の席、入った部署も
隣の席、おまけにマンションも隣。
…俺、まじで思った。
これって運命なんじゃないかって。｣

運命って……

目｢…でも、確証はずっと持てなくて。
その子は俺のこと
嫌ってるみたいだし。鈍感だし。｣

鈍感って……

目｢…で、こないだの
バーベキューでやっと
確証持てた。
…俺と同じこと言ってたから、
Aが。
しかも王子様って。

………だから、俺、ずっと好きだったって
高校生の時からの意味なんだけど。
ちゃんと分かってんの？
で、王子様は俺で合ってんの？
俺のお姫様。｣

……何それ。
お姫様って……

…私こそ柄じゃないし。そんなの。

……私だって、私だって。
ずっと探してたし、
ずっと好きだったんだから。

お礼言いたいもあるけど
ずっと好きで忘れられなかった。

…だから、

｢…うん。合ってる。
で、私もずっと好きだった。
だから、そんなお姫様とか
言わないでよ、ばか。｣

そんなこと言われると、
恥ずかしいし、
嬉しくて泣いちゃうじゃん。

目｢…お前こそ
俺のこと王子様とか
言ってたじゃん。
しかも、皆に知れ渡ったし。｣

｢…だ、だって！
蓮だって知らなかったんだもん！｣

目｢…普通、気づくだろ。
顔とかそんな変わらないし。
高校生の時から。｣

｢…いや、私、
高校生の時コンタクトも
落としててあんまり
見えてなかったんだよね、蓮のこと。｣

目｢はぁー！？
お前、そんな状態で
よく大丈夫って言えたな！｣

｢…い、いやだってさ、｣

目｢…やっぱ信用ならないわ、
お前の大丈夫は、あの頃から。
というか、それで
大学生の時なんで分かったわけ？｣

｢あ、うん。何となく。
面影というかさ、｣

目｢…だったら、
入社試験の時も気づくだろ。｣

｢し、身長そんな
高いって知らなかったし！｣

目｢…まぁ、お前も
そんなちっこいとは
思ってなかったけど。｣

｢し、失礼なんだけど！
だからさ、蓮が大きいだけだって、｣

ｷﾞｭｯ

え？

目｢…で、さっきから
怒るか泣くかどっちかにしたら？｣

｢…も、もう！ほっといてって！｣

目｢…ほっとけないから
言ってんの。｣

｢……だって、…蓮が
王子様だって分かって
嬉しかったんだもん。
しょうがないじゃん。｣

…これは嬉し涙なんだから。