2度の運命(黒)2 (ページ26)

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目｢…はぁー？
それだけで好きには
ならないだろ。｣

｢…い、いやだって！
少女漫画では絶対に
男女の幼馴染は付き合う、｣

目｢いや、それお前が
少女漫画の読みすぎだから、
…で、あの幼馴染は
俺の弟の彼女だから
俺のこと好きでもなんでもない。｣

｢…え？そ、そうなの？｣

弟の彼女って…

目｢…あぁ。
結構前からな。
高校生の時ぐらいからだっけな。
買い物とかには
よく付き合わされるんだよ。
荷物持ちに。｣

｢…そうなんだ。｣

…良かったかも。
いや、私が勝手に
疑ってただけなんだけどさ。

目｢…なんでそんな
心配してんだよ。
…昨日、お前のこと
俺、ずっと好きだったって
言ったのに。｣

っ！！！！

｢…そ、それはそうなんだけど、｣

でもさ、好きだから
不安になるというか…

目｢………｣

｢…ご、ごめんね。
疑ったりして。｣

嫌だよね、こんなの。
ほんとこそこそ嗅ぎ回って。

目｢…いきなりなんだけど
俺のお姫様の話聞いてくれる？｣

｢……え？お姫様？？｣

…何それ？

目｢…うん。その子はさ、
俺が高校生の時、
大学受験の日に出会って、
駅で具合悪そうにしててさ、
その子も受験で
緊張してるから
具合悪くなったんだろうなって
すぐ思った。
でも、俺も受験って
言うのが分かったからか、
すごくキツそうなのに
大丈夫って言ってて
でも俺はその子が心配で
幼馴染にも呼ばれたから
水だけあげて電車に乗ったんだよね。｣

｢…………｣

目｢で、それから俺、
その子のことばっかり
気にしてさ、
ちゃんと元気になったかな。とか
どうしてるかな？とか、
そう思ってて
大学生の時にちょうど
その子のこと見かけて
ここで会ったのも運命だし、
声掛けようと思ったんだけど
彼氏っぽい人といたから
邪魔しちゃ悪いかと
思って話しかけるのやめた。
めっちゃ後から後悔したけど。｣

｢…………｣

目｢それから、
今度は会社の入社試験で
その子とは反対で
俺が柄にもなく
緊張して具合悪くなって、
隣にいた子が大丈夫ですか？
って声掛けてくれて
俺キツかったけど
この子もこれから
面接なんだしって思って
ちょっと無理して
大丈夫ですって言ったら
全然大丈夫じゃなさそうって
水くれてさ。
…顔上げた瞬間あの時の子
だって思った。
でも、その子は
全然覚えてなさそうで。｣

｢…………｣