2度の運命(黒)2 (ページ14)

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｢…え？｣

目｢…今度は下着
片付けとけよ。
まぁ、俺は別にいいけどさ。｣

また、私にしかニヤリとして
聞こえないよう言ってくる蓮。

っ！！！
何なのよ、この男！！

｢よ、余計なお世話だから！
絶対、家にも入れないし、
一緒に帰らなくてもいいから！
じゃあ、私、先に帰る！｣

目｢…は？あ、おい！A！｣

私は小走りで会社の出口まで
急いだ。

…何よ、何か余裕ある感じでさ。

……そりゃあ、仕事だから
仕方ないけど。

……私はさ、付き合い初日は
一緒に帰りたかった。

また会社で会えるかも知れないけど。

それとこれとは別というか。

でも、なんかこんなの重い気がするな…

と、会社から出て
トボトボ歩いていた。

阿｢…あ、A！｣

｢……え！阿部ちゃん先輩！？
どうしてここに？｣

阿｢…Aが心配だったから
追い掛けてきた。
…目黒も心配そうだったよ。｣

…確かに走り去る時
戸惑ってたような気がするけど、

｢……そうですか。｣

阿｢…目黒と一緒に
帰りたかったんだよね。｣

｢…え？｣

阿｢…なんか寂しそうな顔してるからさ。｣

｢……そうですね。
仕事だから仕方ないって
言うのは分かってるんですけど、
…私って重いし、わがままですよね。｣

…ほんと、嫌になるな。
自分で自分がさ。

阿｢…そんなことないんじゃない？｣

｢え？｣

阿｢目黒の彼女になったんだから
当たり前だって。
そう思うのはさ。｣

…そうなのかな。

｢…でも、あんまり
蓮は思ってなさそうですし。｣

さっき、また会社で
会えるって言われたし…

阿｢…そんなことないよ。
Aがさ、多分給湯室に居て
ちょうど席外してた時に
岩本課長から
今日の食事会の話があってさ、
本当に今日ですか？って
食い下がってたからさ。｣

え、そうだったの？

｢…そ、そうなんですか！？｣

阿｢うん。
だからさ、目黒もAと
一緒の気持ちだって。
…じゃないと早速
皆の前で俺の彼女発言
しないでしょ？｣

っ！！！！
そ、そういえば
いきなりバレたんだった！

｢…そ、それはそうかもですけど。｣

阿｢そうそう。
だからさ、…王子様の話も
ちゃんと目黒に確かめた
方がいいよ。｣

｢…え、なんで、それを！？？｣

阿｢あ、ごめんね。
給湯室で葛城と話してるの
聞こえちゃってさ。｣

さ、最悪だ！！
まぁ、でも阿部ちゃんは
王子様の話知ってるか…