2度の運命(黒)2 (ページ12)

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｢…し、信じられないこの人！！｣

と、また背中をポカポカ叩く私。

目｢…はははっ！！
ごめん、ごめん！
だってお前があんまりにも
可愛くくっつけてくるからさ！
…で、全然痛くないって、それ。｣

｢…もう！！ばかにして！！
やっぱり降ろしてよ、ばか！｣

目｢降ろさないって！
可愛い彼女がまた怪我したら
大変じゃん。｣

｢…もう、何なのよ、それ。｣

目｢…だから、可愛いって。｣

｢…可愛くないのに。｣

目｢…まぁ、もうすぐ着くからさ。
安心しろって。絶対落とさないから。｣

｢……ありがと。｣

目｢…どういたしまして。｣

…結局、蓮の方が上の気がするし
結果、優しいんだよな、
悔しいけど。

で、この後営業部に戻ったところ
案の定皆さんにニヤニヤされ、
冷やかされる私達。

も、もうだから言ったじゃん！！

と、私が顔を赤くしながら
やめて下さいと
言っていた時に
蓮が軽く本当に軽く
あ、こいつさっき俺の彼女になりました
とか言いやがった。

これには皆さん、驚きを隠せず
部屋が木霊するぐらい
えー！！！という声が
響き渡る。

さ、最悪だ。まじで。

でも、岩本課長も阿部ちゃん先輩も
真希も良かったな、良かったねと
笑顔で言ってくれたから
良かったのか。

…いや、良くない！！
この男のせいで！！！

と、思いもう平然と
仕事を再開する
隣の席の男を睨みつけていた。

目｢……なんだよ、その顔。｣

｢…べ、別に！！｣

目｢…ふーん。
まぁ、いいけど。
…あんまり可愛いと
またキスするから。｣

と、最後のとこだけ
私にしか聞こえないよう
言ってきた。

私は思わず、立ち上がって、

｢…は、はぁ！？？
何言ってんの！？？｣

と大声を出した。

岩｢…A、痴話喧嘩は
外でやってくれ。
今は、仕事な。｣

｢…あ、はい。すみません。｣

さ、最悪！！
なんで、私が怒られるんでしょうか…

目｢…ばーか。｣

と、また蓮に私にしか
聞こえない声で言われる。
この男、最悪なんだけど！！！

私は無言で睨みつけて
仕事を再開させた。

ムカつくけど、
…まぁ、笑ってるから
いいのかな。

と、私は蓮の横顔を見ながら思った。