1番逢いたくて逢いたくなかった人(黒) (ページ41)

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そうこうしてるうちに社会人になった。
希望してた漫画編集者になれて
希望してただけあって
仕事も充実してたのだけど…。

｢…はぁー。｣

澪｢久しぶりに会って、ため息やめてよ。｣

｢…あ、ごめん。ちょっと疲れてて。｣

澪はだろうね。顔にハリがない。
と言って注文したパスタを食べていた。

澪も念願のメイクアップアーティストになり、
仕事が充実しているみたいだ。
さすがは仕事にしてるだけあって
私のずさんな化粧を見抜いている。

澪｢楽しいんでしょ？仕事？？｣

｢うん、楽しいんだけど……
なんか違うって思ってしまう自分がいてさ。｣

なんだろう、仕事って皆そんなものだと
思うんだけど、うーん。

澪｢趣味だけに漫画は
留めといた方が良かったの
かもね、Aは。仕事にして入り込み過ぎて
きつくなってるんじゃない？
集中し過ぎるくせあるじゃん、Aって。｣

そうかも、なんで分かるんだ、
エスパーか。この子。
続けて澪は言う。

澪｢だから、1番好きなことじゃなくて
次ぐらいに好きなことを仕事にしてみたら？｣

｢…うーん。確かに。
……いやほんと！良いかもそれ！！｣

澪は相変わらず単純で可愛いね、Aは。と
頭をよしよしされる。
いやそう言ってる澪は誰が見ても美人だけど。
てか、単純ってばかにしてんのか。

でも次ぐらいに好きなことかー。
考えてたら澪が言った。

澪｢……TV業界とかは？
よく見てるじゃん、漫画の次にだけど。
私も最近ちょこちょこ芸能人のメイクさせてもらうし、局で会うかもしれないし、
Aと一緒に仕事するの
夢だったんだよね～♡｣

また♡マークつけてる。
それが嫌味なくあうからいいけどさ。

澪は私と違って専門学校を卒業すると
東京に帰り、東京で仕事をしていて
最近は澪の頑張りあってか
芸能人のメイクも
担当しているらしい。

私は大阪に残ったまんまで今日は久しぶりに
澪が大阪に遊びに来てくれている。

TV業界かー。確かに漫画編集者もだけど
裏で支える仕事って好きなんだよな。
と、私が考えていると、澪が

澪｢それにあんたの大好きな蓮くん♡にも
会えるかもだしね♡♡｣

｢っぶはっ！！｣

汚っ！！と言って澪が私に
ティッシュを渡す。
ありがとう…。と言って受け取ったが
いつも蓮のこと目黒って言うくせにいきなり
なんなんだよ。♡マーク増量して。