1番逢いたくて逢いたくなかった人(黒) (ページ31)

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まぁそりゃ気づくわな。
あんな大きい音立てたら。

｢あー、ごめんなさい。邪魔して！
偶然涼と帰り道会ったから
一緒に帰ってきたんだけど
なんか涼家に入りづらそうだったし、
私も一緒にみたいな
感じでですね～。｣

私はかつてないほど早口でまくし立てた。

｢決して邪魔するつもりは
無かったので続きをどうぞ！
私は家に入りますので！！じゃっ！！！｣

いや、おいっ！！！と言う蓮と
Aちゃん！？？と言う涼の声を無視して
私は早々と家に入った。

はぁー。

松倉さんか…。可愛い子だったな。
ゆるふわパーマでまつ毛くるんとしてて
苺が似合いそうな女の子……。

私なんてさ…
ふと自分の姿を玄関の鏡で見てみる。
髪もボサボサで丸顔だし、
コンプレックスだらけ。

蓮の顔全然見れなかったし…
でも抱きつかれた時嫌そうじゃなかったな。
付き合ってるのかな、2人。

いやいや、だから関係ないし！私には！！
そう！！だから蓮にもとやかく言われる
必要は無いわけであって！！！

でも、大嫌いって言ったのは
反省してるから
早いとこ謝らないとな。
大嫌いって言った時心無しか
蓮、悲しそうな顔
してた気がするし…。

早いとこまた今日も寝よう。と思い
自分の部屋に上がって行った。

思えば、この時ちゃんと蓮の話を聞いておけば
あんなことにならずにすんだのだと思う。