1番逢いたくて逢いたくなかった人(黒) (ページ22)

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いや蓮のことは気にせず早く家に入ろう。
寒いし。

｢じゃ、じゃあ蓮また！｣

ｶﾞｼｯ

｢…え？｣

目黒｢いや、待てよ。｣

蓮に昨日みたいに腕を掴まれた。

｢何！？？…言っとくけど私、
昨日のことまだ許してないからね、
なんであんなこと……。｣

目黒｢何ではこっちの台詞なんだけど。なんであれで分かんないのか俺が分かんない。｣

｢はぁ？？｣

ほんと蓮って何考えているか分かんない。
私の昨日の睡眠返せ、この野郎！！

目黒｢…さっきの山下くんとキスでもした？｣

｢はぁ！！！？？？｣

さっきより一段と声が出てしまった。
いけない、もう夕暮れ時だった。

｢そ、そんなことするわけないでしょ！！？？
山下くんは友達なんだし！
蓮じゃあるまいし！
山下くんは蓮と違って
優しくて誠実なんだし！！｣

いきなり何言い出すんだよ、この男は！
私は今日一声を張り上げて言った。

目黒｢…へえ。……じゃあ、
優しくて誠実じゃない俺とはキスする？｣