20話 ページ22
「で、では今日はこれで…!」
『うん、いつもありがとう仁花ちゃん』
帰る時間になった。
私も家でご飯を作って翔陽を待たないといけない。
荷物を持ち、階段を降る。
長い長い階段。
1人で降りると更に長く感じる。
その階段の中間あたりで、ふと視線を感じた。
振り向くと階段の上に2人の人影が見えた。
顔は分からない。
ただ、白空ちゃんくらいの背の高さのようだ。
あれは白空ちゃん…?
ならもう1人は誰…?
よく目を凝らしてみてもボケて見えない。
目を擦りもう一度見てるとそのは人影は消えていた。
「……誰だったんだろ?…まさか幽霊…!?…なんてね、まさか幽霊が存在するわけ……」
ある…よね。
だってAちゃんには見えてるんだもん。
怖いなぁ……
本当に幽霊だったら私狙われたりしたのかな!?
「い、急いで帰ろ!」
私は走った。
愛する人と共に暮らす我が家へ。
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「ただいま〜!」
「おかえり翔陽」
家でご飯を作っていると元気な声が聞こえてきた。
スーツ姿の翔陽が帰ってきた。
「今日はカレー?」
「うん!ちなみに温玉のせ」
「んん、影山か!」
笑いながら、お弁当箱を出す翔陽。
「今日も美味しかったよ、ありがとう!」
「良かったぁ、そう言ってくれると毎朝頑張って作ろうって思えるよ」
翔陽はお弁当の袋を剥ぎ、水で濯いだ。
「そう言えば、あの後どこか出かけたの?」
お弁当を洗い終えるとコップを取り出し水を飲んでいた。
「Aちゃんと近くのカフェでお昼ご飯食べに行ったよ〜すごく美味しかった」
「へー!俺も行ってみたい!」
「今度一緒に行こうね」
「おう!」
こんなありふれた会話でもすごくすごく幸せで、これがずっと続いてほしい。
Aちゃん家族みたいに私も頑張りたい。
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しお - 続き楽しみにしています 体調に気をつけて頑張ってください (2020年2月8日 21時) (レス) id: 3c3766d2ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんや | 作成日時:2016年10月28日 22時