ニセモノ ページ7
封を開ける手が震える。
そんな筈はない、何かの間違いだと頭では理解しているつもりでもかなり動揺した。
無理もない。
この世に居る筈のない人物から、手紙が届いたのだから。
恐る恐る便箋をゆっくりと開いた。
綴られた文章を食い入る様に何度も読み返す。
「何だよ…これ…。」
分かり切っていた。
それが真奈美からの手紙じゃない事くらい。
書く文字だって全然違うし、文章も本人が書いたとは到底思えない。
全くもって質の悪い悪戯であり。
それは紛れもないニセモノだった。
それでも僕は、自然と怒りは湧いて来なかった。
例えそれが僕の最愛の人からの手紙じゃないとしても、事切れてしまいそうだった僕の精神はぎりぎりの所で細い糸に繋がれた事は事実で。
涙が溢れた。
読み返す度に、涙で視界が濁る程だった。
会えないからこそ深まる愛も存在する。
それが例え現世と天界であっても。
彼女は空から僕を見守っているのだろうか。
僕が毎夜空を見上げて彼女を恋焦がれるように。
会える日を楽しみしているだなんて。
それは僕の命が果てる時であって、いつになる事やら分かりもしないのに。
彼女はそれでも、あっちで僕を待ち続けていてくれるのだろうか。
真奈美からの手紙ではない事は明らかなのに。
それでも僕は、その手紙をまるで彼女からの返事
の様に捉えてしまった。
それが「錯覚」だと分かっていても。
心の隙間が埋まって行く様な気がしたんだ。
思いがけずにやって来た一通のその手紙は。
少なくとも僕に力も与えてくれた。
生きる…気力を。
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ぎゅみ(プロフ) - まゆまゆさん» お友達ちゃん、結構なキーマンですよね笑 それぞれの想いが繋がる日にむけて頑張って書いております☆書いている私も、後ろ向き人間なので前向きな方向に向かっていく主人公ちゃんが羨ましく思ったりもします← (2014年11月11日 16時) (
レス) id: cce3bba8f1 (このIDを非表示/違反報告)
ぎゅみ(プロフ) - つーさん» コメントありがとうございます、嬉しいpq続き、何話か更新したけど読んで貰えたかな？(ｿﾜｿﾜ)このお話も、もうすぐ終わりです。最後までよろしくお願いしますo┐ﾍﾟｺﾘ (2014年11月11日 16時) (レス) id: cce3bba8f1 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - いい友達がいてよかったですね。私も実際この主人公ちゃんに負けず劣らずの後ろ向き大魔王なので私だったら多分会う自信ないもん。なんか読んでてすごく引き込まれます。それぞれの想いがいい方向に向かいますように。 (2014年11月11日 1時) (レス) id: ed4a5e3eae (このIDを非表示/違反報告)
つー(プロフ) - ぎゅみさんお久しぶりです(o^^o)もうね、いつもながらすっかり引き込まれてしまいました。「私」はギュに会っていいのかな、、でも会いたい…(＞＜)続きも楽しみにしています♪ (2014年11月10日 16時) (レス) id: 313d5b3ac7 (このIDを非表示/違反報告)
ぎゅみ(プロフ) - どぎゅさん» きゅん！来ました？良かった！！← 短編なので、そろそろ佳境に入りますが、結末…果たして…ふふふふふ…← (2014年10月30日 15時) (レス) id: cce3bba8f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぎゅみ
| 作成日時：2014年10月4日 0時
