ポール ページ50
※前の「パトリック」と別展開
冷たい銃口を向けられ、それを受け止める為に銃をしっかり向ける為に捕まえて心臓に突き付けさせる。
「冷たいだろ、嫌じゃないか?」
もうこの冷たさすら心地良い。その気遣いをくれる相手が、今わたしの唯一の近しい理解者でもある男もといポール。軽い口と同様に軽い性格も見え隠れするけど、それを覆させる程にわたしにしっかり向き合ってくれる。でも、忙しいのかなかなか会えなくて、その間に色々あった。わたしには耐え難い辛いことばっかりで、目の前が真っ暗になって沈んでいく感覚に襲われてもうどうでも良いと思ってしまった。
久し振りに会って銃口を突きつけられる前、彼に珍しく真剣な表情で「それで良いのか」と言われた。頷いたけど、わたしってどんな顔をしてたんだろう。だって、彼が何とも言えない表情をしていたから。
「理解者、か……そう見えたのなら良い、オレはお前さんの最大の拠り所であれたのなら幸福だ」
ふわりと笑うポールに、目を奪われる。タバコ臭さすら感じることはなく、穏やかな雰囲気を感じてこれが最期に見えたら良いなと思ってしまう程だった。
「どうした、銃を握る手が緩んでるぞ?」
もうこの世に居座る気は無いので、怖くはない。この世から別れる気は万全だが、まさか最期の間近でここ最近の中で素敵なものが見れるとは思わなかっただけ。だから驚いて手の力が緩んでしまった、バレちゃったから恥ずかしいけど。
「オレもAの照れる顔が見れたから満足一歩手前だぜ、本当にしたいことができていないから満足はしてないな」
銃を突きつけたまま笑う。何だろう、死ぬ前だから叶えてあげれることはしてあげたい。そう言えば、目を丸くしてぱちぱちした。
「言ってみるものだな……いや、良い。Aを見届ける役に徹する。約束しただろ」
死に際まで居てくれると。
すごく思いやり深いなと思いながら、頷いて銃を握る。むこうも真剣な表情で銃を構え直して、心臓を狙っている。
「頭なら確実だ。だがな、お前さんだから真正面が良かった。胸が血まみれになっても、綺麗だぜ。まだ見てねえけどさ」
何で冗談を言うんだろう、笑ってしまった。彼はわたしのおかしな思考もといバグを許容してくれている。だから、とても嬉しい。
ばんっ!!
大きな音と共に胸にすごい痛みがきた。ばたんとたおれて、むねがあたたかい。さいごにみたぽーるがみえなくな―――
「じゃあな、A。オレは愛してたぜ」
28人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cocoa(プロフ) - 女主でお願いします!百合が好きで(( (6月26日 20時) (レス) id: 59dcdcfe07 (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - cocoaさん» ご返信ありがとうございます。もう一つお尋ねしたいのですが、夢主は男女どちらでしょうか?女性キャラがお相手ですので、一応までに。 (6月26日 20時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - ありがとうございます!ELLSWORLDの四人組に歪んだ愛情を向けられるシチュエーションでお願いしたいです。難しいお願いですが何卒宜しくお願い致します。 (6月26日 20時) (レス) id: 59dcdcfe07 (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - cocoaさん» コメントと感想ありがとうございます。元から女性キャラとのお話は書くのは好きなので、そう仰っていただけると嬉しいです。リクエスト承りますので、シチュエーションとキャラクター名を記載してください。 (6月26日 20時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - コメント失礼します!さとうみさんの書くELLSWORLDがとても好きで(もちろん他の話も大好きです)もし差し支えなければELLSWORLDのリクエストよろしいでしょうか? (6月26日 19時) (レス) id: 59dcdcfe07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ