ポール ページ12
久方振りに姿を見せ、気が付くと姿を眩ます。そんなやや風来坊気質な青年のポール。彼はタバコの強い臭いを漂わせつつも、気が付くと律儀にやって来る。
今日もそんな感じで、突然現れた。用事が何も無い日に、ドンピシャにやって来る。
「ああいう所は落ち着かん、やっぱりこういう所じゃないとな」
そう言いながらも、小さなベランダに出てタバコを吸う。その様子を、一枚越しの薄い窓で眺める。その人は窓を開けてタバコの強い残り香を漂わせつつ、わたしの隣に座る。何をすると聞いても、何も言わずにわたしが先日買ったばかりの雑誌をぱらぱら捲る。相変わらず、何しに来たのか分からない。
「いっそのこと、ここを根城にするか……居心地が良い上に、癒される」
一体どうしてそんな奇天烈なことが言えるのだろうか。しかし、彼は冗談を言う性格でもないから気になる言葉である。少し顔を逸らして悩みながら唸っていると、何故か横から頬を抓られた。驚いて目を丸くして、そちらに向いて文句を言おうと思った。
「やっとこっちに向いたな。それで良い、目を逸らさないでくれ」
ご満悦な様子で、少し朗らかな表情を作った。理解が及ばないものを見る気分だ。
「別に良いだろ、オレがここにいるのはお前さんがここに住む時間と比べてすごく短時間だ。その間だけでも見て欲しいと思うのは、ワガママか？」
そう言われるとそうかもとなるのは、ある意味脳みそが足りない証拠だと思う。ワガママは変わりないし、わたしがそう思っているならそういうことだ。
「客人として丁寧に扱って欲しい訳じゃない。ただただ、ここで疲れを取り除きたいだけだ。それはAの協力も要る」
それはつまり、美味しかったり楽しかったりするものを出せと言うことになると思う。それらをストレートに伝えると、小さく肩を落とした。そこまで大げさに反応しなくてもと思ったが、彼はまた口を開けた。今度は少し躊躇っている様子で、言葉を慎重に選ぼうとしているのが分かる。
「旨いモンを食べたり楽しい所に行ったり、そういうリフレッシュ方法は知っている。オレの場合は、単にAといるだけでそれができる」
徐々に真剣な顔で言われ、自分も言葉に詰まる。だからと言って、こんな時に言うアホがいると思うか。
「そういうことだ。今日はめいいっぱい時間を取ったんだ。Aで羽を伸ばすぞ」
したり顔で言いながら、肩を抱き寄せられた。少し顔が熱くなったのはバレないで欲しい。
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cocoa(プロフ) - 女主でお願いします！百合が好きで(( (6月26日 20時) (
レス) id: 59dcdcfe07 (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - cocoaさん» ご返信ありがとうございます。もう一つお尋ねしたいのですが、夢主は男女どちらでしょうか？女性キャラがお相手ですので、一応までに。 (6月26日 20時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - ありがとうございます！ELLSWORLDの四人組に歪んだ愛情を向けられるシチュエーションでお願いしたいです。難しいお願いですが何卒宜しくお願い致します。 (6月26日 20時) (レス) id: 59dcdcfe07 (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - cocoaさん» コメントと感想ありがとうございます。元から女性キャラとのお話は書くのは好きなので、そう仰っていただけると嬉しいです。リクエスト承りますので、シチュエーションとキャラクター名を記載してください。 (6月26日 20時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - コメント失礼します！さとうみさんの書くELLSWORLDがとても好きで(もちろん他の話も大好きです)もし差し支えなければELLSWORLDのリクエストよろしいでしょうか？ (6月26日 19時) (レス) id: 59dcdcfe07 (このIDを非表示/違反報告)
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