あれやこれや、わからずじまい ページ10
ジャックスにつれられて、気づくとツギハギおもちゃのひとがこっちを見ていた。確かズーブルだっけ、あいさつしとこ。
「そう……ところでアンタは、誘拐中かい？」
「人聞きの悪いことを言わないでくれ、これでもふらふらするノーレちゃんを丁寧丁寧に介抱してるところなんだぜ？」
おちゃらけて言う必要はないと思う。だって”ちゃん”なんて、名前のあとに言われることはなかったから。
まあ、ゆうかいされてるわけじゃないからうなずいておく。
「……ふーん、チビ助が言うなら半分は信じておく」
「残りの半分は？」
「アンタだから信じない」
けっこうかなしいことが、目の前でおきている。かと言って、わたしも信じれるかはびみょうだけど。
「まさか君まで？うわーひどいなあ」
そのわりにはふざけたように笑ってる。どっちだろう、このひとはつかみどころがない感じがしてきた。ケインとはべつな感じがする。
「歩ける？」
なんとか、そう言う前に体がういた。おとされたとすぐに分かったから、なんとかういている間にくるりと体をかえす。そして、4足じょうたいで地面につく。助かったと思ったけど、カラフルで目にわるい床が近い。でもなんだかなれたのか、目がふらふらしなくなった。
「お、猫みたいに着地してる。ほら、ズーブル。見ろよ」
「ちょっ！？バカかいアンタ！？ノーレ、ほら立ちな」
少し上げた顔の先には、ズーブルがすぐ近くにいてそれぞれちがうおもちゃの手でわたしの体を立たせた。おれいを言って、ジャックスをよく分からない目で見てしまう。これがイタズラなのかと思うけど、知らない世界にみちびかれた気分だ。
「ケインが連れて来たから、一筋縄じゃいかないか」
「そうじゃないだろう、チビ助を容赦無く打ちのめす気かい？」
「どうだろね、何となくかな」
楽しそうなジャックスとちがって、にらみつけるズーブル。彼との間にズーブルが立って、いかくするように言う。
「そうカリカリしないでよ。そこまで大したことはしてないだろう？」
「するに決まってるし、さっきのは大したことじゃない。碌でもないヤツなら尚更」
彼らは少しにらみあってて、それはズーブルにかくれてようす見。
「これはダメか、じゃあね。ノーレ、また遊ぼうか」
「近寄る資格はないだろ」
「さあね、そんなものは案外どこにも無いぜ？」
しっくりくる言葉、シカクはないのは多分自分もそうかも。だからうなずくしかできなかった。ズーブルに怒られたけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さとうみさん(プロフ) - エヌアさん» はい、彼は基本的に温厚ですからね。誰でもそうなので、多分特別なベルダースなキャンディはくれないと思います、多分。今作もとある曲たちを異色混合させまくったので原型があんまりないです。はい。進んで行ったら片鱗はあるかもですね。 (1月10日 18時) (
レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
エヌア - 新作読みました!優しいですね…（泣）ケインってもう凄い！不気味がまたいいって物もあります！ (1月10日 8時) (レス) @page8 id: 0bd8eb1c3e (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - エヌアさん» ありがとうございます、今回は全方向な彼を魅せれたらなと思います！不気味が強くなると思いますけど（笑） (1月9日 20時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
エヌア - 最近、目が悪かったので目の保証になるぐらいいい文章でした！ (1月9日 13時) (レス) id: 0bd8eb1c3e (このIDを非表示/違反報告)
エヌア - ケインがメインなんですね！もう、なんと言ったらいいか分かんないぐらい嬉しいです！こんないい作品を作ってくださりありがとうございます！ (1月9日 13時) (レス) @page7 id: 0bd8eb1c3e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
