小さなひとと大きなひとのこと ページ18
そのあと、彼女たちと別れてケインと歩いて行く。
さっきのがちょっと気になるけど、ウソのように明るく話しかけてくるからやっぱりカン違いかなと思う。
「ノーレさん、今日のお仕事はどうでしたか?」
メンタルケアというカウンセラーとして、キャラクターたちに向かった。そして、みんないたってだいじょうぶ。今は分からないけど、何となく遠くから見てもとくに悪いところはなかった。
そうなるべくかんたんに伝えると、ケインは笑った。
「はい、ありがとうございます!メンタルケアも彼らにとっては最重要事項故に、狂ったら元も子もありませんからっ!」
そう言えば、狂ったらどうなるのかな。ケインは教えてくれないけど、みんなにちょっと聞いてみたらあんまり良い顔をしなかった。だから、多分、すごく怖いことになるんだろうと思う。
わたしが来る前に、狂っちゃったキャラクターがわんさかいたらしいから。それがすごく気になる。
「貴女のような素晴らしいお方を助手に据えられたのは、素晴らしい運命と言ったところ!」
そこまで言ってもらうほどに、わたしはすごいことしてないんだけどな。いつもの同じこと。でも、最近はちょこちょこ文字はいれつを入れかえたり打ちこんだりすることができるようになってきた。手や頭がむいしきに、すらすらと知らないうちに動いてそれでその文字れつが意味をなしている。わたしって、もしかしてすごいのかな。ちゃんと成長してるってことなのかな。
「おお、エンジニアとしてプログラミングもできると!デジタルの綻びを修正できるのですね!貴女の成長は、とても目覚ましく素晴らしいです!」
そっか、他にできるんだ。そう知れただけで、とてもうれしい。わたしはカウンセリングだけじゃなくて、住みやすいかんきょうを作っていけるんだ、良かった。
できそこないじゃない、みんなに笑われないんだ。バカにされないんだ。でも、気持ち悪い、知らないまっくろな人たちがわたしをイヤな言葉と笑顔で見てくる。それがこわくて、足元がふらふらしてくる。そんな言葉が聞こえそう―――どうせ、できるわけないだろ。
「ノーレさん!?どうなさいました!?気分が悪いのでしょうか!?」
ケイン、も、そう言うの……?わたしって、夢見な、バカって言うの……?
「!?……いいえ、そうではありません。貴女は私の大事な、掛け替えの無いお方です」
ケインに抱きしめられても、気分が落ちつかなかった。
15人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さとうみさん(プロフ) - エヌアさん» はい、彼は基本的に温厚ですからね。誰でもそうなので、多分特別なベルダースなキャンディはくれないと思います、多分。今作もとある曲たちを異色混合させまくったので原型があんまりないです。はい。進んで行ったら片鱗はあるかもですね。 (1月10日 18時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
エヌア - 新作読みました!優しいですね…(泣)ケインってもう凄い!不気味がまたいいって物もあります! (1月10日 8時) (レス) @page8 id: 0bd8eb1c3e (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - エヌアさん» ありがとうございます、今回は全方向な彼を魅せれたらなと思います!不気味が強くなると思いますけど(笑) (1月9日 20時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
エヌア - 最近、目が悪かったので目の保証になるぐらいいい文章でした! (1月9日 13時) (レス) id: 0bd8eb1c3e (このIDを非表示/違反報告)
エヌア - ケインがメインなんですね!もう、なんと言ったらいいか分かんないぐらい嬉しいです!こんないい作品を作ってくださりありがとうございます! (1月9日 13時) (レス) @page7 id: 0bd8eb1c3e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ