さあ、お手を拝借

さいだいげんのだきょう ページ13

ケインといっしょに、デジタルサーカスを見る。それはポムニとかガングルといっしょに歩いたものじゃなくて、ういて上から見るようなものだ。ケインにおひめさまだっこされてる。そういや、ジャックスにもされたな。落とされちゃったけど。

「どうですか？上からはなかなか見れないでしょう？」

そうなんだ、本当にながめはとても良い。上からながめるのは、テントもゆうえんちみたいなサーカスも、みずうみも、みどりいろのデジタルなしばふも。なにもかもがしかいの中にいっぺんにある。上を見ると、お月さまとおてんとさんが近くに見える。ケインはお月さまがにがてなようで、あんまりお月さまと目を合わせていない。お月さまの目はぴったり閉じてて、目を合わせてるか分かんないけど。
それより、わたしはじめんを歩いていどうしかできないからとてもうらやましい。どうしたらとべるのかな、教えて。

「ふふっ、今はまだムリですがノーレさんもいつか似たようなことはできます。ええ、きっと近い内に」

たのしそうに言うけど、なんのことやら。でも、ケインが言うならきっとそうなんだろうね。うん、たのしみ。

「ええ、私ケインもその日が待ち遠しい所存でございます！貴女の成長を感じられるもの！それが貴女の最終的な行末でもあり、私の目標でございますので！」

ケインがわたしのせいちょうを見守っているって聞いたから、たぶんそう言うことなんだろう。ケインが見守ってくれるなら、まだ安心だと思う。この世界にきてから、このひとがいちばんかかわりがあるからだけど。ほかのひとたちはちょっとだし、こせいがつよい。わたしはスキンのこせいがつよい。だぼだぼ服にだぼだぼ白衣、なにこれ。やっぱりケインのしゅみかな。せめて歩きやすいのにしてよ。たまに引っかかってこけたり、こけそうになったりするんだもん。

「それは随分と愛らしい衣装と思って設定したのですが……貴女の成長も仮定して、スキンチェンジがないようにと配慮した結果なのですが……まあ、今はただただ小ささと愛嬌を表現するものになってしまいましたね！」

あいきょう、言ったな。言ったな。わたしはあいきょうでしょうぶしてるわけじゃないんだよ、なにをかんがえてるの。やっぱりケインは100パーセントしんようしちゃダメだ、わたしにかわいさを求めてるいみふめいだから。

「良いじゃないですか！可愛さを見出しても！減るもんじゃないですし！」

わたしのきもちをかんがえてよ！

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