だいじなこと ページ12
ちょっと落ちついてきたころ、扉を開けて出て行く。すると、サーカステントの中が広がっていた。どういうところに来たんだろうか、分かんないや。
「えいっ!んんん?おや、おや?」
とつぜん頭にぱさりとかぶさった。それがあみあみのもので、虫あみだと気づいた。そんなことをしているのは、目がチグハグなキンガーだった。
「まさか昆虫以外が取れるとは……!私としたことが、趣旨を違えて、手が無き小さな存在に当たってしまったと言うのか……!」
これまたとつぜん、声を上げておどろいたようすでいた。
それより、わたしは手はある。白衣のすそが長いから見えないだけだもん。それより、いつになったらあみを取ってくれるのかな。頭から体の半分があみにからまって、あんまり動けない。
「確かノーレという名前だったな!小さくて間違えてしまった、もっと大きくならないのかね!」
大きくなりたい、それはわたしの思いでもあるから。大きくなれるのかな。それにしても何とまちがえたんだろう。さいしょはわたしをムシと思ってたみたいだし。
「禍々しくも歪で、時には驚くくらいに身麗しいものもある。昆虫はそんなものでもあったりなかったり、不定形なものだよ」
むこうの世界でも、こんちゅうはそんな感じでは。こっちのこんちゅうも同じなのかな、やっぱり分からないことは分からない。ケインに聞いたら、キンガーについてだからおこられそう。
「キンガー!貴方はいつもどこかほっつき歩いて……あたしの身にもなりなさいよ」
「何だね、私を呼ぶのは!」
「あたしよ、ラガタ。忘れたとは言わせないわよ」
ラガタだ。彼女と目が合うと、にこりと笑った。そして、ほどほどのあいさつのあとにキンガーのマントをつかんで歩きだした。それを思わずぼうっと見おくったけど、ここどこかと聞くのをわすれた。
そう言えば、バブルと言うものを呼べるんだった。何となく言うと、とつぜん丸い何かがあらわれた。
「ハイ!ノーレサマ!ナニカヨウ?」
ここどこかな、そう聞くまえにケインがぱっと何もないところからあらわれた。
「お部屋にもいないと思ったら……ここにいらっしゃったのですね!ああ、良かった良かった……!」
大げさなようすのケインにかがまれて、抱きしめられた。何でそこまで心ぱいするのかな。
「そんなの当たり前です、何たって大事な大事なお方なのですから……!」
そっか、わたしもケインを大じにしなきゃね。ごめんね、心ぱいさせちゃって。
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さとうみさん(プロフ) - エヌアさん» はい、彼は基本的に温厚ですからね。誰でもそうなので、多分特別なベルダースなキャンディはくれないと思います、多分。今作もとある曲たちを異色混合させまくったので原型があんまりないです。はい。進んで行ったら片鱗はあるかもですね。 (1月10日 18時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
エヌア - 新作読みました!優しいですね…(泣)ケインってもう凄い!不気味がまたいいって物もあります! (1月10日 8時) (レス) @page8 id: 0bd8eb1c3e (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - エヌアさん» ありがとうございます、今回は全方向な彼を魅せれたらなと思います!不気味が強くなると思いますけど(笑) (1月9日 20時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
エヌア - 最近、目が悪かったので目の保証になるぐらいいい文章でした! (1月9日 13時) (レス) id: 0bd8eb1c3e (このIDを非表示/違反報告)
エヌア - ケインがメインなんですね!もう、なんと言ったらいいか分かんないぐらい嬉しいです!こんないい作品を作ってくださりありがとうございます! (1月9日 13時) (レス) @page7 id: 0bd8eb1c3e (このIDを非表示/違反報告)
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