これはそういうこと ページ11
そのあとは、ズーブルにつれられてケインに送られた。そして、わたしの体にいじょうがないかていねいにかくにんされる。ちょっとはずかしい、そんなにじろじろ見られるのはなれてないから。
「……ふーむ、今の所は異常無しですね。良かったです、落とされたと聞いた時は気がおかしくなりそうでした……」
「アンタは常にそうだろう」
「ズーブル、あんまり彼女の前で変なことを言わないでくれ!私は至って完璧な保護者なのだからね!誤解の無いように!」
ズーブルが大きなためいきのような声を出して、そのあとはくるりと背中をむける。きっと帰るんだ、その前におれいを言わなきゃ、ありがとうって。
「……そんなたどたどしい口で良く言おうと思ったね……まあ、分かったよ。また悪いヤツらに引っ掛かんなよ」
こっちにむきなおしてくれて、ちょっとしゃがんで手を頭にのせてきた。わしゃわしゃとなでられてくちゃくちゃになったけど、ととのえているあいだにいなくなった。このはくいのすそ、長いから手が出せない。上も下もだぼだぼで、ちょっとむずかしいことがある。
「相変わらずぶっきらぼうだ……まあ、悪い方ではありませんので!はい!ただちょっと……頻繁に規制する音を入れなきゃいけないんですよねえ、言動が荒い方ですし……」
そう言えば、きたない言葉や行動をとればあっというまにきせいされるって聞いた。そうか、たしかにジャックスの前でもそんな感じはした。
「それではお部屋に行きましょう、お供させていただきます!」
そっと手をとられて、ぱっとうく。気がつくと、知らない部屋の中にいた。家具はぜんぶそろってて、本もぬいぐるみもいっぱいある広い部屋。ちょっとおどろいて見わたすと、横のケインはふふふと笑っていた。
「お気に召していただけましたか?デジタル空間なので、何でも揃えられますよ!」
うれしいけど、ほんのうてきに……広い部屋は落ちつかない。なんて言うんだろう、わたしの心がつねにざわざわしてしまう。せまい部屋にしてくれないかな、ごめんなさい。
「……ああ、そうですか……配慮が足りずに申し訳ありません……分かりました!はいっ!」
ゆびをならしたしゅんかん、部屋がいっきにせまくなった。ああ、落ちつく。
「貴女は前からそんな感じでしたね……ああ、そうすれば良かった……」
うん?わたしとケインははじめましてだよね。でも、わたしのせんぱいだから知っててもおかしくはないのかも。気にしないでおこう。
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さとうみさん(プロフ) - エヌアさん» はい、彼は基本的に温厚ですからね。誰でもそうなので、多分特別なベルダースなキャンディはくれないと思います、多分。今作もとある曲たちを異色混合させまくったので原型があんまりないです。はい。進んで行ったら片鱗はあるかもですね。 (1月10日 18時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
エヌア - 新作読みました!優しいですね…(泣)ケインってもう凄い!不気味がまたいいって物もあります! (1月10日 8時) (レス) @page8 id: 0bd8eb1c3e (このIDを非表示/違反報告)
さとうみさん(プロフ) - エヌアさん» ありがとうございます、今回は全方向な彼を魅せれたらなと思います!不気味が強くなると思いますけど(笑) (1月9日 20時) (レス) id: 563e8e19e1 (このIDを非表示/違反報告)
エヌア - 最近、目が悪かったので目の保証になるぐらいいい文章でした! (1月9日 13時) (レス) id: 0bd8eb1c3e (このIDを非表示/違反報告)
エヌア - ケインがメインなんですね!もう、なんと言ったらいいか分かんないぐらい嬉しいです!こんないい作品を作ってくださりありがとうございます! (1月9日 13時) (レス) @page7 id: 0bd8eb1c3e (このIDを非表示/違反報告)
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