Sweet ページ11
来たのは近所のカフェ。
小瀧くんと来すぎて、完全にカップルだと思われているらしく、窓際のカップルシートみたいなところにいつも通される。
「んで、Aちゃんはどうするん？」
それは、来年に迫った就活のこと。
重岡さんも就職決まって来年からいないし、
流星くんも芸能の仕事が忙しくなって来たから
重岡さんと同時期に辞めるらしい。
就職の前にバイトが大変やなぁ…
「ホールの顔と、万屋コンビの相方がおらんくなるんはきついな〜」
「はは、全然返事になっとらんし」
頭で考えたことが飛躍して、全然違う返答をしてしまう悪い癖。
その癖を可愛いって言うのは小瀧くんくらい。
あとは崇裕さん。
「あ、ごめん…就活はそろそろしようと思っとるよ？この前インターン行ったし」
そう答えると、は！？と驚いた顔をする小瀧くん。
「抜け駆けはあかんて！俺なんもしとらんし！」
「いや、行かんくてもええかな？って思ったわ。
やけどやりたいことはまあ決まっとるし、
どの会社にするか候補決めなあかんからさ？」
そう答えると、すこし落ち着いたのかまたもぐもぐご飯を食べ始める小瀧くん。
「俺まだなんも決まっとらんなぁ…
服好きやし、アパレルとかええなって思うけど」
そんな話をしていると、1年とちょっとで大学を卒業して、バイトも辞めるっていうことが現実味を帯びる。
重岡さんに連れられて小瀧くんとバイトを始めた時は、この生活が一生続くんじゃないかって思うくらいに、終わりなんて見えなかったのに。
「はまちゃんはどうするつもりなんやろな。」
ボソッと呟く小瀧くん。
「どうするって…そりゃそろそろ終わりやろ」
頻度減ったし。と言うと、わたしの頭に手を置いて
「なんも言えへんけど、ふつうに恋愛しいや？
神ちゃんもはまちゃんも………あとはまあしげも…」
なんて言うもんだから、耳を疑う。
「ちょ！ちょ…ちょっと待って！？
なんでみんな重岡さんとのこと知ってんの！？」
そう言うと、やべって顔をする。
「誰から聞いたとかちゃうねん！
気づいちゃったもんは仕方ないやろ？」
みんな勘が鋭いのはなんで！？
続く
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作者名：ちい | 作成日時：2019年1月8日 19時
