【すとぷり】拾われました。【男主】

#28.あの人たちは ページ28

Aside


俺は今、母さんの前に棒立ちしている。
まぁ、その理由はわかるだろうけど。


母｢あのねぇ……夏休みだからよかったけど夏休みじゃなかったらどうするつもり？｣

『ごめんなさい、』

母｢あんたはいい思いしてたかもしれないけど母さんと父さんは全然いい思いしなかったわ｣

『………ごめんなさい』

母｢毎日のように警察がうちに来るのよ？しかも同じことを聞き返して、本当に警察って頭悪いのかしら｣

『…………………』

母｢はぁ…………もういいわ部屋に戻りなさい｣


『はい………』



部屋に戻ると、異臭がした。

まさか、もしかして、掃除されてない……？
そりゃそうだよな。
自分の部屋はいつも自分で掃除してたから。


『ぅ、っおぇ………っ』


カーテンを開けると日差しが差し込み
目を背けたくなるようなモノが散乱している。

追い出された日のままだ。

ぐしゃぐしゃに放置されているティッシュ、
ゴミ箱にはそういうゴムやらなんやらも。


『………っ早く片付けよ………』


床に落ちているゴミを拾おうとしゃがんだ時


ｺﾞﾄﾝｯ


なにか固くて重いものが落ちた。


『ひ、…………ん？あれ、？』



その正体は前に

さとみくんが買ってくれた

｢すまほ｣だった。


『あれ、いつの間に………』


あいつが持ってきたのか？
でも、さとみくんを嫌いなあいつが
わざわざ持ってくるか？

じゃあ、いつ？誰が？



『………！！なーくん………？』


そうだ、いきなりはぐされたあの時に
なーくんが俺のポッケに入れたんだ。


『でも、これバレたら………』


あ、バレないか。
あの人たちは部屋に入ってこない。

でも、念の為にベッドのマットレスの下に
挟んで隠しておこう。


『よいしょ、』



連絡は……2人が寝てる夜中にすれば……
日中もできるな。

2人とも仕事でいないから。


『あれ、なんで俺こんな…………』









なにあいつらのこと信用してんだ。
人はすぐ裏切るって分かってるだろ。









『………調子狂う……』

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