【歌い手】同じでも違うもの (ページ20)

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二十日目.寂しいページ20

Aside

寂しい？
私が？
なんで？

独りなんて慣れてるはずでしょ？

お父さんとお母さんは亡くなって

お母さんには空気と同じような扱いを受けて
それなのに詩乃には優しくて

詩乃には友達も好きだった人も
私より詩乃の方が何倍も可愛いから
異性の友達なんて皆詩乃の方に行っちゃって

私はずっと独りぼっちだったから
独りなんて慣れてるはずなのに

高校に入ってからおかしかったんだ

坂田が私に仲良くしてくれて

志麻もあとから仲良くしてくれて

センラくんは中学のときから仲良くしてくれて

渉は私のことを受け止めてくれて

期待してたんだ

｢もう独りじゃないかも｣って

詩｢Aは頑張りすぎだよ、少しは私に話して？｣

『し、の…ん…っ…』

詩｢なぁに？｣

『ずっと、寂しかったぁ……っ』

詩｢うん｣

『ずっと独りで、っ誰も仲良くしてくれなくて、』

詩｢うん｣

『も、嫌だっ……たぁ……っ』

詩｢……辛かったね、ごめんね｣

私、バカだ

詩乃がずっと隣にいてくれてたのに

気付かないで

｢私は独りなんだ｣って勝手に決め付けて

ばかだよ、ほんとうに

詩｢A、今まで泣けなかった分ここで泣いていいんだよ｣

『ふぇぇ……っうわぁぁぁん……っ』

詩｢……気付いてあげられなかった｣

坂｢………うん｣

詩｢私、お姉ちゃん失格だよ……っ｣

坂｢そんなことないで、大丈夫やから｣

？｢……あーぁ、もうちょっとだったのに｣

病室前にいるその声は周りの音でかき消された

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最後のセリフは一体誰が……！？