戻ってきてよ、マネージャー。【ハイキュー】【烏野高校】 (ページ14)

今日:1,084 hit、昨日:1,300 hit、合計:113,833 hit

■ . 13 ページ14

.

side：日向翔陽

ーーーダンッ、と良い音を立ててボールが体育館の床に叩きつけられる。

……今、鈴川先輩に羽が生えたように見えて、気付いたらボールが落ちてて。

上手く言い表せないけど、めちゃくちゃ凄かったってことだけは胸を張って言える。

「 …な、！！」

『 ……あー！！怖かった！！！ねえスガ見た？！あの強烈速攻！！！怖すぎん？！』

「何言ってんだよA！お前その速攻を〝余裕だね(キラン)〟とかなんとか言ってカッコよく受けてたべ！！」

『変な効果音付けないでくれる？？？』

「 …なに、あれ」

「ふふん！！驚いただろうそうだろう！！」

「 …なんで田中さんが得意気なんですか」

「我らがAさんはなァ！！バレーボールにおいて全てが完璧なんだよ！！！まあバレーボール以外も完璧だがなァ！！はーっはっはっは！！！」

「月島の言う通り、なんで田中がそんな得意気なんだよ」

田中さんが鈴川先輩を褒めちぎると、〝いやあそれほどでも！〟なんて喜ぶ鈴川先輩。

しばらくボーゼンとしてたおれだけど、ハッと我に返ると急いで鈴川先輩の元に駆け寄った。

「鈴川先輩！！めちゃくちゃ凄かったです！！！」

『ふは、ありがとうね』

「あの、それでお願いなんですけど！！」

『ん？』

「ーーーおれに、バレー教えてください！！！」

『 ……え？』

「さっきの鈴川先輩のレシーブすっげーキレーで、スパイクも先輩に羽生えたんじゃないかって思うくらいのジャンプで、それでいてボールの威力もすごくて！！！」

『 …！』

「でもおれ、レシーブ下手くそだし、スパイクも、…正直、影山のトスに頼ってばっかだし。

ーーーだから、おれも鈴川先輩みたいにかっこいいバレーがしたいんです！！！」

『 …あはは、羽は初めて言われたな』

ポリポリ、と頬をかいた鈴川先輩はそう言いながら苦笑いを浮かべていて。

…鈴川先輩には部活に来たくない理由があるんだし、バレー教えては無理だったかな。

ーーーなんて、思っていたんだけど。

鈴川先輩から返って来たのは、おれが思っていたのとは全く違う返事だった。

.