戻ってきてよ、マネージャー。【ハイキュー】【烏野高校】 (ページ13)

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side：日向翔陽

あまり乗り気じゃなさそうな鈴川先輩が菅原さんに押されて気だるそうにコートへと入る。

……いくらバレー経験者って言っても、本気で打ったらまずいよな。

ーーーそう、思ってたんだけど。

「あ、日向！言っとくけど手加減はいらないからな！」

「 …え？」

『は？！なんでスガが決めんの？！』

「だってAなら余裕だべ？」

『いやあの速攻見るからにやばいでしよ！！！あれを私が普通に受けれるとでも？！』

「思ってる」

『ふざけんなよ』

「あ、それと、Aのサーブは西谷に取ってもらえ！」

「「え？」」

「お！久々にAさんのサーブ取れるんすね！！楽しみっす！！｣

『 ……そんなに期待しないでもらえると嬉しいんだけど』

菅原さんにそう言われ、嬉しそうに出てくる西谷先輩。

……もしかして鈴川先輩って、ものすごく強い人だったり…？？？

ーーー田中先輩からボールを受け取った鈴川先輩はサービスエリアに立つ。

その瞬間、どこか空気が変わったような気がした。

『 ……日向くん、影山くん』

「？はい！」

『ーーーやるなら、本気でね』

「「！！はい！！」」

そして、今立っている場所から数歩下がった鈴川先輩は、助走を付けて跳び、ボールをおれたちの方へ放つ。

ーーージャンプサーブだ…！！かっけえ…！！

「よっしゃ！！」

「ッナイスレシーブ！！」

「行け翔陽ー！！」

綺麗にレシーブをあげてくれた西谷先輩のボールを影山が受け取りトスを上げる。

そしてそのまま、影山のトスを信じて跳んだおれの元へまっすぐ飛んできたボールを相手コートに向けて打つ。

ーーー完璧に決まった！！！！

……そう、思ったんだけど。

『ーーー余裕だね』

「ッ！！！」

「 …嘘デショ」

「す、すごい…！二人の速攻を一発で…！」

「ーーーA！トスあげるから跳べ！！」

『 ……先に言っといてよ…！』

おれが打ったボールの真下に素早く滑り込んだ鈴川先輩は、優しく受け止めふわりとセッターのいる位置へボールを運ぶ。

そしていつの間にスタンバイしていたのか菅原さんが鈴川先輩の元へトスをあげて。

ーーーそしてその瞬間、鈴川先輩に羽が生えたように見えた。

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