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「 ーーーちぇ、なんだ、一年に会いに来ただけかー 」
『 やっっと理解してくれた 』
その後、どうしても私が戻ってきたことにしたいらしい二年生の誤解を必死で解き、やっと理解してもらえた私はそれだけで疲労困憊。
……こうやって私が部活に顔出すだけで喜んでもらえるのは嬉しいことだって、分かってはいるんだけどね。
ーーーそりゃあ、私だって嬉しくない訳じゃない。可愛い後輩にこんなに慕ってもらえてるんだし。
「 え、でもでも!!!一年に会いに来たついでに今日は部活出てくれるってことじゃないんすか?! 」
『 いやそのつもりは全くなーー 』
「 ーーえ!!出てくれるんすか!!! 」
『 いやだから、 』
「 Aさんがいてくれると助かります 」
「 え、なんか気合い入るわ! 」
「 いつもよりやる気出てきた 」
『 え、ちょ 』
「 ーーーじゃあAさん!! 」
「「「「「 今日はおなしゃーす!! 」」」」」
『 ……ハア 』
全く人の話を聞かない二年生にため息をつきながらも、どこかソワソワしてしまっている自分がいるのも事実で。
このソワソワは、久しぶりに部活に参加することへの緊張からか、もしくはーーー新たに一年生が加わった烏野高校男子バレー部がどんな風になっているのかを見るのが楽しみなのか。
その正体はわからぬまま、見事に流されてしまった私は今日の練習に参加することとなってしまったのだった。
……そういえば今日潔子は????
『 縁下ー、今日潔子は? 』
「 確か、今日は用事があって来られないって言ってました 」
『 Oh my God…… 』
「 ーーーA、今日参加してくれるのか…! 」
「 嬉しそうだな、スガ 」
「 バッカ大地…! 」
「 ……でも、珍しいよな。今まで何言っても頑なに参加してくれなかったのに 」
「 え?そうなんすか? 」
「 そーそー。
……もしかしたら、Aも無意識の内に変わろうとしてんのかもね 」
「 かもしれないな。一年生も入ってきてくれたことだし 」
「 …うん。これからが楽しみだ 」
まさか同級生たちにそんなことを言われているとは露知らず、久しぶりに会う二年生と話を弾ませていた私。
ーーーけれど、もしかするとこれが、私が部活に戻るための第一歩となっていたのかもしれない。
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しおの(プロフ) - 更新ありがとうございます!!! (5月11日 10時) (レス) id: 90073e2c4e (このIDを非表示/違反報告)
とあ - 続きまってます! (2月27日 6時) (レス) @page16 id: cb2b6ef0c3 (このIDを非表示/違反報告)
なお - 投稿ありがとうございます!!!!!この作品愛してます!!! (2月18日 19時) (レス) id: 4ebc7ce81e (このIDを非表示/違反報告)
ChachaY - 更新待ってます!頑張ってください!! (1月21日 20時) (レス) id: ee598f31ef (このIDを非表示/違反報告)
しほ(プロフ) - つづき待ってます (1月9日 0時) (レス) id: 504df229d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おまめ | 作成日時:2023年9月17日 20時