▽ ページ28
side:ゆめまる
『あー！私体力なさ過ぎ！やばっ、』
「あんだけ走り回りゃバテるって」
インターバルを挟みながらトライするけれど、結局最後までプロ選手から点を取ることは出来んかった。悔しそうに座り込むAにタオルを渡せば、汗で前髪がぺたりとくっついた顔でにっこり笑われる。うっかり、ちょっとだけ可愛いと思ってしまった。
「でも、だいぶヒヤヒヤさせられましたよホント。Aさんなんて女性なのにガンガン攻めてくるし、パス回し上手いから」
『ひゃー…もうホント煽てるのやめて下さい…消えちゃいたくなるので…』
「いや、本音ですよ。バスケ経験者じゃないんですよね？」
り「元はバレー部だけど、大好きな彼のいたバスケ部からずっと熱い勧誘受けてたよね？なんでバスケ部じゃないんだって」
『りょう！！』
ニヤニヤ笑いながら話すりょうを、少し体力が回復したらしいAは走って追いかけて行った。勿論追いつきはしないんだけど、よくあの元気が残ってるなと思う。俺なんて早々にバテてしまったのに。
虫「Aの元彼はバスケ部なのかぁ」
て「元彼じゃないよ、失恋相手」
し「別のバスケ部のやつとも付き合ってたぷぅけどね」
「え、そうなの？あいつでしょ？俺らの代のエース」
て「あいつもりょうとかと同じで幼馴染で、ずっと片思いしてたけど、結局振られたんやって。だから付き合っとらんよ」
本人不在のところで暴露するのは如何なものかとも思ったけれど、内容が時効なのでよしとすることにした。散々追いかけ回しておいて飽きたのか、タオルを片手にAがこちらへ戻ってきて虫さんに釘を刺していた。変なサブちゃん回そうなんて気を起こすなよって。言い方が怖すぎ。
「Aは、誰にバスケ教えてもらったの？」
『…初恋の人。教えてもらったっていうか、昔からずっと休みの日は遊びがてらバスケしてたから。県選抜選ばれるような奴の相手してたらそりゃ素人に毛くらい生えますわな』
「なんか言い方が可愛くないけど…そっか初恋の人なんだ」
ちょっとだけ寂しそうな顔をするから、それ以上は触れられなかったけど。東海オンエアの紅一点にこんな顔をさせる男がいるとは、ちょっとだけ複雑な気持ちになった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 378人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「紅一点」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼姫(プロフ) - まっちゃさん» いつもコメント有難う御座います！引き続き楽しんで頂けるよう頑張ります◎ (2020年2月4日 23時) (
レス) id: 0a0a4cbb7c (このIDを非表示/違反報告)
蒼姫(プロフ) - Mamecccchiさん» お返事遅くなりました！ぼちぼちリクエスト消化中です。初リクエスト嬉しかったです、有難うございました！ (2020年2月4日 23時) (レス) id: 0a0a4cbb7c (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいております！続編も楽しみにしております！頑張ってください^^* (2020年2月3日 13時) (レス) id: e2582815ea (このIDを非表示/違反報告)
Mamecccchi(プロフ) - 主人公を尊敬するきっかけやこんなとこが好きなど各メンバーとのエピソード話が見たいです！ (2020年1月31日 20時) (レス) id: 6aa4a1f260 (このIDを非表示/違反報告)
蒼姫(プロフ) - Mamecccchiさん» はじめまして！コメントありがとうございます◎偏りが出ることに少々不安がありましたが、楽しみにしていただけるなら嬉しいです！ (2020年1月12日 12時) (レス) id: 0a0a4cbb7c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼姫 | 作成日時：2019年11月30日 1時
