夢で逢いましょう。 (ページ40)

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君色ページ40

Toshimitsu×九州彼女

きっかけは、ほんの些細なことで。

『としみつのバカ！そんなに文句ばっかり言うんだったら全部自分でせんか！』

「はぁ？！」

「まぁまぁ、二人とも落ち着いて。今度は何？」

折角今日はメンバーのりょうくんを呼んでお酒を飲みに行く日だったというのに、昨日から持ち越された喧嘩で雰囲気は最悪。意地っ張りで短気、おまけに頑固なところまで似た者同士の私達は未だに火花を散らしており、とうとう私の堪忍袋の尾が切れた。

『聞いてよ、りょうくん！』

地域性の違いというのは知り合った当初から理解していたし、付き合ってからもさして支障はなかったと思う。しかし食文化とは根強くその人に残っているもので、私であれば味噌カツはあまり好きではないし、うどんは普通の鰹出汁で食べたいものである。因みに手羽先は指が汚れてしまうし食べ辛いから苦手です、ごめん愛知県民。

『別にいいやん、冷やし中華にマヨネーズ入れたくらいで！嫌やったら退ければいい話やん！』

「あ、九州はそうやって食べるもんね」

『そう！それくらいのリアクションでいーやんね、何でわざわざ怒鳴られることがある？俺は要らんよーくらいでええやん』

この前も大阪土産で肉まんを頂いたと嬉々として持ち帰ってきてくれたから、酢醤油を準備したら信じられないような顔をされた。皿うどんにソースをかけた時も同じ顔。別に同じにしてほしいわけじゃない、文化の違いなのだから受け入れてほしい、せめて私がそうする事くらいは。

『としみつの心が狭いよって話』

「んだと、てめぇ！」

『私が名古屋飯連れていかれて文句言ったことあった？ないっちゃんね！』

「A、キレると方言戻るね」

『りょうくん、煩い！』

まだ岡崎に越してきて2年しか経っていない、それを二十数年と比較されたところで地元が勝つに決まってる。勉強不足というか、避けている部分があることは否めないけれど、そもそもとしみつだって歩み寄りが無さすぎる。なんでそんな頑固さだけ九州男児みたいなのだ。