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「A!」
『あれ、りょうは?』
「なんか部活の集まり。先帰れって」
放課後、職員室で用事を済ませて下駄箱へ行けば頭一つ飛び出た彼は居なくて、柴田だけ。なんだかシュンとしているように見えるあたり、そんなにりょうと一緒に帰りたかったのかと思う。お前は彼女か。
「それ、りょうくんのジャージ?」
『うん、貸してくれたんよ。誰かさんが制服濡らすもんだからよぉ!』
別に今更怒っているわけではないけれど、嫌味たっぷりにそう言えば足を止める彼。なんだか様子がいつもと違って胸騒ぎがして近寄って顔を除けば、それはそれは歯を食いしばって頬を真っ赤に染めて、ぶっさいくな顔をしていた。お世辞にもカッコいいとは言えない、嘘はついちゃいけないって婆ちゃんが言ってた。
「…のに、」
『は?』
「俺の貸したのに!」
『え、やだよ。不衛生』
「なんで!」
子供が駄々をこねるように歩道のど真ん中で地団駄を踏む彼は本当に高校生だったか。自分が招いた結果だっていうのに何をそんなにヘソを曲げているやら、私には理解できずにいる。最早これまで彼の思考を理解できた試しもないけれど。
「なんか、やだ!他の男の服着るの!」
『はぁ、』
「例えイケメンのりょうくんでもダメ!今度からジャージ用意してて!俺のが嫌なら!」
『濡らす前提で言うなよ。二度とやんな』
くだらない、と思いながらも彼の言うそれが嫉妬の類だと私は知っている。今更何でそう思うのかはそれでも分からないけれど、これはこれで進歩なのかなとも思う。きっと彼は気付いていない、だからこそ恥じらいもなく嫉妬心を剥き出しに出来るのだから。
『…ゆーすけ、かき氷食べて帰ろ』
「、!うんっ」
ぱあっと明るくなったと思えば、私を置いて交差点の手前まで全速力で駆け抜ける彼。奇想天外な彼に恋するのは相当手を焼くけれど、それでもやっぱり辞められないのだから上手いこと付き合っていくしかないなと思った夏の日。
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なんかしばゆーはうまく書けない…
すっごい不器用すぎてとんでもないって
そんなイメージがあるだけです。
駄文で申し訳ない…。
2019.10.21 蒼姫
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作者名:蒼姫 | 作成日時:2019年10月19日 15時