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「こらてつや!またお前居眠りして!今日分の動画の編集終わらせたのか?!」

「ごめんって!やってたんだけど寝ちゃって…今からやるから!」

『ごめんねー、虫さん。今度はちゃんと見張っとくから先に買い出し行ってくる?』

「そうするよー。ったく、しっかりやりん!」



集合時間前に現れた虫さんにこっぴどく叱られて落ち込んでる彼に助け舟を出せば、ぱあっと明るい顔で感謝の言葉を連呼される。まぁ起こさなかった私も悪いしなと思うけど、彼は決してそういう思考には至らない。てつやの長所でもある優しさ故だ。



「Aの好きなオレンジジュース、冷蔵庫に入っとるげ飲んでね!」

『はいはい、現金なんだから』



わざわざ近所のスーパーでしか売ってないそれを準備してくれていることも、長年幼馴染をやっているけれど特別感があって素直に嬉しい。早速冷蔵庫を開けて目当てのペットボトルを取り出すと、ふと幼少時代の記憶が蘇った。



"Aね、オレンジがいい!大好きな蜜柑の色!"



『うーわ…なんで忘れてたんだろ、』



保育園も小学校も、ずっと身の回りはオレンジだった。すっかり抜け落ちてたその記憶と、手の中のオレンジジュースがリンクする。振り返れば陽の光に照らされてキラキラと光る橙の髪が目に入って、何故だかわからないけど少しだけ照れ臭くなった。



『ねぇ、てつや』

「んー?」

『青が好きって言ったけど…昔はオレンジが好きだったんよね』

「えっ!」

『因みにサードオニクスとか私は好きだけどなぁ…』


ちょっと待って、片仮名わからん!なんて慌てている彼を放って掃除機をかけることにした。遅れて来たとしみつになんでニヤけてるん、きもって言われたけど無視してジャケットを掃除機で吸ってやった。天然石のネックレスと共に一世一代の告白が聞けるまであと4日。そんなことつゆ知らず、今日も私はてつやのお世話をする日々です。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−
色に関して言えば私の実話です。笑
意外とオレンジ系統のパワーストーンって
少なくて、サードオニクスは随分こじ付け
っぽくなってしまいました。すみません。


2019.10.20 蒼姫

春夏秋冬→←好きな色



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設定タグ:東海オンエア , 恋愛 , 短編   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:蒼姫 | 作成日時:2019年10月19日 15時

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