好きな色 ページ15
Tetsuya×幼馴染
「Aは何色が好きー?」
『私はねー、青!』
「えー、なんで俺の色じゃないん」
『なんでって、そんなん理由いらんくない?好きな色は青なの!』
えー、やだやだなんて、MacBookから顔を上げて足をばたつかせるのは本当に成人男性だろうか。いや、最早てつやに成人男性を当てはめることが間違いだったと瞬時に気付いて皿洗いを再開させた。不満そうな声は未だ続いていて、またこうしてずるずる編集するから虫さんに怒られるんだよと言えば大人しくなったみたい。
『てか、そもそもなんで青が好きなんだっけ』
洗濯物を干しながら1人考える。あれは確か、中学入ったくらいだろうか。周りに影響されて某気象系アイドルを好きになって、中でも推しの担当カラーが青だった。故にあの当時は見る青色全て推しの色だと嬉々として揃えていたけれど、今となってはめっきりそういうのは卒業してしまった。てつやは相変わらず彼のお母さん共々ハマってるみたいだけど、昔は一緒にコンサート行ったりDVD鑑賞したりしてたなぁ。
『よいしょっと…あ、何寝てんのあいつ、』
ベランダから戻ればテーブルに顔を伏せて鼾をかいており、なんとも心地よさそうに寝ている。これはまたお叱りを受けるなんて思いながらMacBookを閉じようと画面を見れば、いつもの編集画面ではなくアクセサリー商品の写真が並んでいた。
『何やってんのホント、に…』
並ぶ写真はどれも女性物で、ネックレスやリング、イヤリングに至るまで様々。共通しているのは全て天然石が埋め込まれたアクセサリーだということ。しかも右端に映る閲覧履歴の商品は、全て天然石がサファイアやターコイズ、トパーズやラピスラズリといった青色系統の物ばかり。
『ばかやん、格好つかな…』
見上げたカレンダーの4日後には赤いマッキーで丸印が付いている。記念日どうこうを一番忘れがちなこいつが珍しいこともあるもんだと近付いてなぞった日付は私の誕生日だ。
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作者名:蒼姫 | 作成日時:2019年10月19日 15時