夢で逢いましょう。 (ページ12)

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裏切りの代償ページ12

Yumemaru×浮気片思い

「あ、Aじゃん」

『ゆ、めまる…』

「珍しいね、平日に。休みなの？」

『うん、代休で…隣、彼女さん？』

「初めまして、いつも彼がお世話になってます」

青天の霹靂と言えば大袈裟かもしれないけど、私に取ってそれに等しい出来事だったと言える。彼の隣で笑う彼女は予想以上に綺麗に笑う人で、隣で照れ臭そうにしている彼もどこか別人のように感じてしまうのは、きっとそんな顔を私の前でして見せたことがないからだと思う。

『…ふざけんな、』

それから2日ほど経って金曜日。今日こそは来ないと思っていた連絡がいつも通りにやってくる。今更ながら彼の神経はどうなっているのかと疑いたくなるけれど、結果拒めず待ち合わせ場所に出向いてしまう私も神経がイかれているんだろう。

「遅いじゃん、こっちこっち」

『いや、普通連絡寄越すかね』

「え？なんで。毎週金曜日は飲みに来てたじゃん」

『そうだけど、それだけじゃないじゃんいつも。私流石に彼女の顔見てもこんな関係続けられる図太い女じゃないんだけど』

ゆめまると出会ったのは3ヶ月程前。元々1人で飲み歩くのが好きだった私は新規で入った飲み屋で同じく1人で飲んでいた彼と意気投合。酒は強いし聞き上手だし、なんとも言えない緩い雰囲気にまんまと惹かれてしまった私はそのままの流れでホテルへ直行。そこから彼女持ちと知るまで時間はかからなかったけれど、会う度に彼女への罪悪感は薄れていくしぬるま湯に浸かるような心地よさから抜け出せなくなっていった。

「ホント、びっくりしたよねー」

『いや、びっくりしたよねーじゃないから。普通さ、気付いても声かけないって』

「だって気付いたら声掛けてたんやもん」

『もん、じゃねーわ。私のドキドキ返せ』

「まぁまぁ、とりあえずビールでいいでしょ？」

『…うん』